研究所トップ≫研究成果情報≫平成2年度
弱毒ウイルスを利用したダイズモザイク病の防除
宮城県農業センター・バイオテクノロジー開発部
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (1)
-
[成果の内容]
-
技術・情報の内容及び特徴
-
ダイズモザイクウイルス(SMV)B系統の弱毒株(MG16)を、宮城県内栽培ダイズの
自然発病株から選抜分離した。
-
本弱毒ウイルス(MG16)をダイズの初生葉展開時に葉に噴霧接種することにより、
その後に感染発病するモザイク病(SMVによる)を防除できる。
-
接種は、塗装用スプレーガンを用い、MG16罹病ダイズ葉汁液の100倍稀釈液に、0.1%
量のカーボランダムを添加し、初生葉全面に数秒間3〜4kg/平方センチメートルの
圧力で噴霧する。
表1 ウイルスMG16の病原力と強毒ウイルスに対する干渉効果
表2 接種ウイルス液濃度及び噴霧圧力と感染率との関係
-
技術・情報の適用効果
-
ダイズモザイク病の防除法として、従来媒介昆虫であるアブラムシの防除が行われて
きたが、殺虫剤の多数回散布などによっても十分な効果が得られなかった。本弱毒
ウイルスは、ダイズの生育初期に1回噴霧接種するのみで、十分な防除効果が得られる。
-
噴霧接種法は、従来の塗抹接種法に比べてはるかに効率的である。
-
適用の範囲
全国
-
普及指導上の留意点
-
ダイズモザイクウイルスのB系統に感受性のダイズ品種(大袖振、鶴の子、中生光黒、
かおり等)にのみ適用できる。
-
ダイズの品種によっては(サッポロミドリ等)、発病するものもあるので、留意する。
[その他の特記事項]
研究課題名:地域条件に対応した弱毒ウイルスの作出及び
これを利用した防除技術の開発
予算区分 :地域バイテク
研究期間 :昭和61年〜平成2年
発表論文等:平成3年度日本植物病理学会大会