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アルファルファ混播草地の適切な刈取時期
青森県畜産試験場・草地飼料部
[部会名] 畜産
[分科会名]
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
アルファルファ・オーチャードグラス混播草地において牧草の倒伏を防ぎ、栄養価を
高めるとともに、アルファルファの草種構成割合及び個体密度を長年にわたって高く
維持するための各番草の適切な刈取期を明らかにした。
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アルファルファの収量構成割合(AL率)及び個体密度(相対頻度)が顕著に低くなるのは
1,2番草を連続して早刈りとした刈取処理(1番草:着蕾始期、2番草:生育日数30日)
であり、それ以外はAL率50%以上、相対頻度45%以上を4年間にわたり維持できた
(表1、2)。
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アルファルファ及びオーチャードグラスの収量は、1,2番草では刈取期を遅くするほど
高くなるが、一方で牧草の倒伏が多くなり、栄養価(CP)が低下する。とくに、1番草
ではアルファルファを開花するまで生育させると倒伏が顕著になる。3番草では
刈取期を遅くするとアルファルファ収量が減少し、栄養価が低下するだけでなく、
翌春1番草のアルファルファ収量も減収する
(表3)。
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以上のことから、当混播草地の適切な刈取期は、1番草がアルファルファの着蕾始期〜
着蕾期、2番草が1番草刈取りの40日後、3番草が2番草刈取りの45日後であると判断
された。
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技術・情報の適用効果
従来の刈取期では1〜2年でアルファルファの個体密度が著しく減少することが多いが、
本技術を適用することによって、アルファルファの草種構成割合及び個体密度を
4〜5年にわたり、50%以上に維持することができる。
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適用の範囲
青森県全域の平場地帯
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普及指導上の留意点
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本刈取期は年間の刈取回数を3回とした場合のものである。年4回の刈取りをする
場合は、最終刈取期(4番草)を本県の秋の刈取危険帯である10月上〜中旬以降とする
必要がある。
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アルファルファの品種は本県の奨励品種であるデュピュイ、ヨーロッパ、サラナック
及びキタワカバの中から選ぶ。また、混播草種であるオーチャードグラスの品種は
生育速度がアルファルファに近い晩生品種のオカミドリを使用する。
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草地造成は8月上〜中旬とし、造成翌年の1番草の刈取期はアルファルファの個体を
保護するため着蕾期〜第1開花期とする。
[その他の特記事項]
研究課題名:「アルファルファ混播草地の永続維持技術」
2)混播草地の利用法及び施肥法と永続性
(1) 刈取時期の違いが草種構成、収量及び密度維持に及ぼす影響
予算区分 :県単
研究期間 :昭和61〜平2年
発表論文等:平成元年〜2年青森県畜産試験場試験研究成績書(1990年)