研究所トップ研究成果情報平成2年度

防霜ファンによるリンゴの霜害防止


青森県畑作園芸試験場・果樹部
[部会名] 果樹
[分科会名]
[分類]  (2)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 放射冷却による果樹の霜害が発生するような条件では、気温に逆転現象が生じ、果樹の 生育する地上(0〜3m)よりその上(5〜10m)の気温が高くなる (表1)。
    2. この暖かい空気をファンにより樹体に吹き付け、樹体温を高め霜害を回避する。
    3. ファン(直径1m、2.5kw、6P、俯角45度、首振り角度・90度)を地上8mに設置し、 サーモスタットを地上1.5mに設置し、気温が1度C以下になると作動するようにする。
    4. この機種で約10aに効果があり、経費は約50〜60万円である。
  2. 技術・情報の適用効果
    1. 供試園の地上5mと1.5mの温度格差は1〜2度Cであった。
    2. 4月下旬の低温(1982年4月28日・-3.6度C)によりリンゴ・ジョナゴールドの花梗の 亀裂障害を生じたが、ファン作動区では障害が大幅に軽減した (図1)。
    3. 6月上旬の低温(1989年6月10日・推定0〜-1度C)によりリンゴ・紅玉が殆ど落果 したが、ファン作動区では落果は認められなかった (図2)。
  3. 適用の範囲
    霜害発生地域
  4. 普及指導上の留意点
    特になし


[その他の特記事項]
研究課題名:防霜ファンによる果樹の霜害防止試験
予算区分 :県単
研究期間 :昭和56年〜平成4年
発表論文等:昭和57年度寒冷地果樹試験成績概要集(栽培)
      昭和元年度寒冷地果樹試験成績概要集(栽培)