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土壌改良資材の利用によるリンゴ紫紋羽病の治療法
青森県畑作園芸試験場 環境部
[部会名] 果樹
[分科会名]
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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供試資材及びその組成
パーライト:真珠岩粉末を高熱処理した鉱物質資材で保水力を高める土壌改良剤。
カニ殻配合肥料:商品名(カニがら有機配合)、組成(カニ殻50%、魚粕10%、尿素8%、
燐安15%、硫加17%、三要素各8%)
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処理時期:4月〜11月(なるべく盛夏期を避け、曇天日に実施する。)
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処理方法:わい性樹成木の場合、半径約1m、深さ約50cm掘り、根を露出させる。
ダイセンステンレス1000倍液で根部を洗った後、パーライト及びカニ殻配合肥料を
混和した土壌を薬液とともに埋め戻し、全摘果する。
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処理量:パーライトは根に約30リットルふりかけ、掘り上げた土に約20リットル混和。
カニ殻配合肥料は土に5kg混和。薬液は約100〜150リットル使用。
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治療後の処置
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治療の翌年(2年目)も着果させない。3年目以降、樹勢が完全に回復してから着果させる。
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治療の翌年から毎年春に、カニ殻配合肥料を1樹あたり1kg樹冠下にまいて、軽く表土と
混和する。
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治療の翌年から着果前まで毎年1回、地際部(半径約30cm)にダイセンステンレス
1000倍液を約30リットル注入する。
表1 リンゴ紫紋羽病に対する各種処理の治療効果
表2 治療処理土壌中(第1表)における紫紋羽病菌の伸展速度
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技術・情報の適用効果
従来の治療法より治癒率を高めることができる。
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適用の範囲
青森県のわい化リンゴ園
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普及指導上の留意点
リンゴ樹の黄変葉・落葉の有無を定期的に観察し、早期発見、早期治療に努める。
[その他の特記事項]
研究課題名:リンゴわい化栽培における紋羽病の総合防除法
予算区分 :地域重要新技術開発
研究期間 :昭和61年〜平成1年
発表論文等:平成元年度寒冷地果樹試験研究成績概要集(病害)
北日本病中研報 41号(1990)