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ブロッコリー夏播き栽培のセル成型苗利用技術
宮城県園芸試験場 栽培部 野菜科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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セル成型苗の効果
セル成型苗の定植は活着が良く、初期生育が早まり、収穫時の花蕾は慣行育苗のもの
より大きく、花蕾重も優る。
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セルの大きさ及び床土
セル成型苗利用による育苗では、3×3×5cmセルを使ったものが、初期から生育が優り、
収穫時の花蕾径、花蕾重も優れる。また、床土はピートモス+バーミキュライトまたは、
ピートモス単用で可能である。
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苗の育苗期間
定植時期は、セル成型苗受取時(本葉2〜2.5葉)から、その後15日程度の育苗
(4〜4.5葉)で定植する。
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裁植距離
収量と花蕾の規格別割合を考慮して、うね幅70cmの場合、株間は、早生緑、
緑洋は、35cm、ハイツ、緑嶺、グリエールは40cmを基準とする。
表1 定植時の苗の生育及び収量
表2 収穫時の生育
図1 裁植距離別収量
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技術・情報の適用効果
最近、水田農業確立対策の一環で葉菜類を中心に土地利用型作物の栽培が大規模に
行われつつある。大規模生産では、育苗の効率化などが問題となるが、セル成型苗を
用いることで育苗作業の軽減、定植作業の効率化を可能にし、収量が安定する。
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適用の範囲
夏播きブロッコリー栽培の可能な地域
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普及指導上の留意点
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セル成型苗は、定植時期を考慮して、早めに準備する。
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セル成型苗受取り後には、直ちに箱から出し、かん水もしくは薄めの液肥を施し、
株のストレスを早く取り除く。
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若苗での定植となるので、1回目の追肥はやや早めに行う。初期は、かなり胚軸が
細いので病害虫の発生、特にキスジノミハムシ、ネキリムシに注意する。
[その他の特記事項]
研究課題名:ブロッコリーの高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成元年〜2年
発表論文等:第34回東北農業研究(1991・7)