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イチゴの春期保温による早期採苗法


宮城県園芸試験場 栽培部 野菜科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 対象品種は「女峰」とし、親株を9月下旬〜10月中旬に定植する。
    2. 親株の裁植密度は、うね幅2.0〜2.5m、株間50〜60cmとする。
    3. 採苗数は1親株当り30本程度とし、本葉2〜3枚の若苗を採苗する。
    4. 採苗目標時期と保温方法及び保温時期
    新種概要
    図1 ジベレリン処理の有無とランナー発生の早晩
    表1 パイプハウスでの展開葉数別子苗発生本数
    表2 露地トンネルでの展開葉数別子苗発生本数
  2. 技術・情報の適用効果
    イチゴ栽培の作型は、消費需要の周年化とあいまって全国的に年々前進化している。 前進作型の前提となる苗の早期採苗が、パイプハウスや露地トンネルの利用により 可能となり、イチゴの高価格期出荷と作型分散による労働力の適正配分がなされる。
  3. 適用の範囲
    南東北のイチゴ促成栽培が可能な地域
  4. 普及指導上の留意点
    1. 定植した親株は、12月に不織布等をべたがけし寒風害対策を行う。
    2. トンネルは、日中の気温35度Cを越えないようにパイプハウスでは開閉し、露地トンネルでは 有孔のもの等を利用する。
    3. 保温時に株元に黒マルチをするが、雑草の発生が少ない場合は透明マルチが利用できる。
    4. ランナー発生促進のために、保温開始後にジベレリン50ppm、10ミリリットル/株の 散布が有効である。
    5. 土壌が乾燥するとランナーの発生や子苗の発根が悪くなるので灌水を行う。


[その他の特記事項]
研究課題名:寒地・寒冷地におけるイチゴの収穫期調節と高品質安定生産技術の確立
予算区分 :地域重要(中核)
研究期間 :平成元年〜3年
発表論文等:第34回東北農業研究(1991.7)