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ニラの施肥量と収量・養分吸収量・品質の関係
福島県農業試験場 野菜部 野菜研究室
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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収量:施肥量が多くなるにつれて収量が多くなる傾向である。基肥の量にかかわらず、
追肥の量が30kgを超えると収量が頭打ちとなり施肥量に対する増収率は低下する。基肥量の
違いによる収量への影響は小さく、追肥の量が大きく影響する。
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窒素の吸収:地上部の窒素の吸収量は、施肥量が多く、収量が増加するにしたがって増加する。
収量は一定量以上の追肥では頭打ちとなるが、植物体内の窒素濃度は高くなる。このため、
収量が頭打ちとなっても窒素の吸収量は増加する。
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品質:収穫物の葉幅は追肥が30kg程度で最も広い傾向である。クロロフィル、T-N濃度、は
施肥量が増加するにつれ漸増した。硝酸も同様に施肥量が多くなるにしたがって含量が多く
なるが急激に増加する。収穫後の経過日数と水分の減量率では、多肥するにつれ、減量率が
大きくなり、軟弱であることがうかがわれた。
以上のことから、ニラの株養成期間中の施肥では、窒素を多肥する傾向があるが追肥が
約30kg以上では収量が頭打ちとなり施肥の効率が悪くなる。施肥量が多いと、窒素の吸収量が
多くなりクロロフィル含量が増加するが、体内の窒素濃度、硝酸も増加し収穫物も軟弱になる。
図1 ニラの窒素施用量と収量、窒素吸収量
図2 ニラの窒素施用量と収穫物中の窒素、硝酸及びクロロフィルの含量
表1 生育調査
表2 ニラ収穫後日数と水分減量率
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技術・情報の適用効果
施肥量と収量・品質の関係を知ることにより、効率の良い施肥と品質の良いニラの生産ができる。
又、過剰な施肥をさけることにより塩類集積等の障害を防ぐことができる。
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適用の範囲
県内全域
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普及指導上の留意点
本試験はハウス秋冬ニラを対象に試験したので、適用の場合は作型、土壌条件を考慮する。
[その他の特記事項]
研究課題名:秋冬ニラの肥培管理法
予算区分 :県単
研究期間 :昭和63年〜平成元年
発表論文等:平成3年度普及にうつす成果