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ロックウール耕バラの冬季一時休眠型栽培における苗木の種類と栽植密度
宮城県園芸試験場 栽培部 施設技術科・花き科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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ロックウール耕バラの冬季一時休眠型栽培における苗木の種類と収量は品種により
異なる。ソニアとキャラミアは切接ぎ苗と緑枝接ぎ苗の収量が高く、カールレッドでは
挿し木苗の収量が切接ぎ苗と同等以上である。
(図1、図2)
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土耕では接木苗での栽培が一般的であるが、ロックウール耕では、品種を選べば、
増殖の容易な挿し木苗の利用が可能である。
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挿し木苗利用によるロックウール栽培での栽植密度は、1ベッド(縦91×幅30×厚7.5cm)
当りソニア、キャラミア、カールレッドの3品種とも7株植えが適し、10a当りの
栽植本数は約5,800株となる。
(図3、図4)
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技術・情報の適用効果
わが国のバラのロックウール栽培は、昭和60年に初めて導入されて以来急速に普及し、
平成元年には、全栽培面積410haのうち5%余りに達している。宮城県でも平成元年に
導入し、全栽培面積6haのうちこの2年間で13%に達し、今後も増加がみこまれる。
寒冷地である宮城県の施設バラ栽培は、冬季に多くの暖房経費を要することから、
冬季一時休眠型栽培が多く、全栽培面積の44%を占めている。この作型は、冬季に
暖房をやめ厳冬期の1〜2月に株を低温に遭わせて休眠させ、冬季剪定を行った後
加温し、4〜12月まで収穫する。
ロックウール耕での冬季一時休眠型栽培における苗木の種類と品種別の収量及び
挿し木苗を利用した場合のベッド当りの適栽植密度が明らかになることによって、
バラのロックウール栽培の安定生産が図られる。
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適用の範囲
バラ冬季一時休眠型栽培が可能な地域
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普及指導上の留意点
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品種特性を十分発揮できるように低温期の施設内気温は、最低気温16〜18度Cに
管理する。
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水道水を使用した場合の給液濃度はEC1.0mS/cm前後、pH6.5前後とし、ベッド内
培養液の濃度はEC1.5〜3.0mS/cm程度の範囲で管理する。
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1ベッド当り5株植えで株間18cm、7株植えで株間13cm、8株植えで株間11cmとなるが、
8株植えでは各品種とも欠株が発生する。
[その他の特記事項]
研究課題名:養液栽培による野菜・花きの高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成元年〜平成2年
発表論文等:なし