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天蚕の採卵方法と卵の保護法
岩手県蚕業試験場 養蚕経営部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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採卵容器と交配・採卵
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採卵容器は直径15〜20cm、高さは15〜20cm程度のつりがね状の竹かごが適す。
(図1)
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交配は発蛾の翌朝に健全蛾の雌雄1対を採卵かごに収容し、直射日光や雨の当たらない
通風佳良で静寂な場所に吊す。
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天蚕の採卵時期は、日最低気温が13〜17度Cとなる時期に行う。
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産卵後に蛾を取り出し、卵は採卵かごに付けたまま自然温湿度で保護する。
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受精卵の選別とその後の保護
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卵の収集は産卵1か月後に行い、屋内の自然条件で保護する。
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卵は冷蔵前に膠着物質の洗い落としと卵面消毒をかねて高度さらし粉200倍液に
5〜10分間浸漬後、水洗い、水に浮く受精卵を収集し、陰乾する。
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精選した卵は室内の自然温度で保護し、3月上旬から孵卵処理開始時まで0〜5度Cで
冷蔵する。
図2 水沢市での採卵用天蚕の飼育・交配時期と卵の保護管理
図3 交尾率および気温の日別推移
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技術・情報の適用効果
天蚕卵の強健かつ効率的な採卵が行われ、天蚕繭生産団地における繭の安定生産が
図られる。
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適用の範囲
天蚕繭生産団地、天蚕種製造所
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普及指導上の留意点
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交配は雌雄鑑別を的確に行い、けん縮翅等の異常蛾は除く。
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5度C以上では冷蔵中でも孵化するので冷蔵温度に注意する。
[その他の特記事項]
研究課題名:天蚕繭の低コスト生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :平成2年〜4年
発表論文等:東北蚕糸研究報告第15号(1990)