研究所トップ≫研究成果情報≫平成2年度
太繊度蚕品種「ありあけ」の5齢飼育・上蔟の省力技術
福島県蚕業試験場 養蚕部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類] (2)
-
[成果の内容]
-
技術・情報の内容及び特徴
普通蚕品種よりも飼育が難しい太繊度蚕品種の省力的な5齢飼育並びに上蔟技術を
開発した。
-
標準技術に対しては給桑作業で23%、除沙作業で55%、上蔟作業で34%の省力化
が図られた。
(表1)
-
回転蔟の懸垂方法を変えることで上蔟施設は約30%程度小さくできた。
(表1)
-
普通蚕品種に比べて座ムレ抵抗力や機械条払い等の衝撃に弱く、省力技術の開発は
難しいが、本技術により、比較的虫質に影響を与えずに省力化できる。
(表2、
表3)
-
技術・情報の適用効果
短繊維(スパンロウシルク)用原料として、太繊度蚕品種の繭は最も適するが、
普通蚕品種とは性状が異なり、ていねいな飼育が必要とされる。本技術は、
太繊度蚕品種の性状を考慮してできるかぎりの省力化を図った。
本県では、絹洋装品需要増に対応するため、新素材であるスパンロウシルクを
使ったニット製品の開発を行っている。本技術の確立により、蚕の飼育から製品
までの一貫体制が全国に先駆けて完成し、養蚕農家、製糸、織物業界に与える
影響は大きい。
-
適用の範囲
県内養蚕農家
-
普及指導上の留意点
普及現場の技術指導職員に本技術の内容を十分理解させる必要がある。
[その他の特記事項]
研究課題名:「短繊維用原料繭の超低コスト生産技術」
予算区分 :国庫
研究期間 :昭和63年〜平成2年度
発表論文等: