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桑園における5齢飼育及び上蔟と虫繭質
福島県蚕業試験場 養蚕部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
屋外で5齢飼育から蔟中保護管理を行い、計量形質並びに飼育作業への影響を調べ、
作業の省力化、施設費の低減化を図った。
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飼育施設はアルミパイプを骨格とし、ビニールシート等で覆い、中に廃条整理の
ための溝を蚕座直下に掘る。
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配蚕は5齢2日目に行い、以後1日2回川字給桑、無除沙で飼育する。
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上蔟は蚕座上での自然上蔟とし、蔟は翌日施設内に懸垂し、以後特に蔟中管理は
行わない。
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飼育労力は、条桑の結束・運搬、後片付け等が省力化されるとともに、1人作業
で労働強度も軽減され、作業者を選択しない。
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収繭量は、慣行飼育に対してやや劣ったが、蚕座の改良により改善可能と考えられる。
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繰糸成績は、選除繭歩合が少なく、繭糸長ならびに解じょ率は初秋蚕期でやや
劣ったが晩秋蚕期では差は認めなかった。一方、生糸量歩合はやや劣る傾向を
示した。
表1 飼育成績
表1 繰糸成績
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技術・情報の適用効果
屋外での飼育は若干の繭質低下が認められるものの、作業の省力化や施設費の低減
および遊休桑園の利活用に有効である。
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適用の範囲
県内の特に労働力の弱い養蚕農家
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普及指導上の留意点
補温ができないため温度の影響、虫害等から4眠以前の配蚕は現時点では、困難で
あるので、当面は5齢2食目以降に配蚕する。
[その他の特記事項]
研究課題名:壮蚕並びに上蔟に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成2年〜4年
発表論文等:東北蚕糸研究報告、第15号(1990)