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色調のよいテンペ味噌の醸造法


宮城県農業センター 営農機械部 農産加工科
[部会名] 流通・加工
[分科会名]
[分類]  (2)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    「テンペ」は蒸煮大豆にリゾプス属のカビを生やしたもので、白い菌糸に覆われた ブロック状の発酵食品である。
    この「テンペ」の利用拡大を目的に、テンペの特徴を活かした味噌の醸造法を 検討した結果、香味のバランスのとれた色合いのよい味噌ができた。
    1. 味噌の仕込配合は、米麹1に対し大豆0.5、テンペ1.0とし、塩分13%、水分は 48%に設定する。
    2. 天然醸造とし、熟成期間は6カ月とする。
    3. 得られるテンペ味噌は、香味・色調に優れている。
    表1 熟成中の主要成分の変化
    表2 食味試験(180日後)
    図1 熟成中の明度(Y%)の変化
  2. 技術・情報の適用効果
    1. 加工・調理時に味噌の色調を活かすことができる。
    2. 転作大豆の利用とテンペの利用拡大が図れる。
  3. 適用の範囲
    県下全域
  4. 普及指導上の留意点
    1. 大豆の浸漬は水温に注意し原料大豆の約2.2倍まで吸水させる。
    2. 味噌の仕込に際しては、米麹と塩、テンペ、蒸煮大豆をよく混合する。
    3. 味噌の切り替えしは仕込1カ月後に1回行う。
    4. テンペの添加量が多くなると、香味が損なわれる。
    *第33回全国味噌鑑評会官能審査で良の評価を得た。


[その他の特記事項]
研究課題名:リゾプス属菌を利用した発酵食品の開発
予算区分 :国庫助成(地域水田農業)
研究期間 :昭和63年〜平成2年
発表論文等:なし