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汎用コンバインによる大豆の収穫適期


福島県農業試験場
[部会名] 地域水田農業
[分科会名]
[分類]  (2)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    成熟期後の茎水分及び品質の変化をもとに、汎用コンバインによる大豆の収穫適期を 品種ごとに設定した。
    1. 成熟期後の茎水分の変化:茎水分の低下速度は品種によって異なる。最も早く低下する 品種はコスズで、次いでタチナガハ、エンレイ>ズズユタカ>ホウレイの順となる。 (図1)
    2. 収穫開始時期:汚損粒発生防止の観点から、収穫開始時期を茎水分が55%以下になる 時期とすると、成熟期から収穫開始までの日数は、コスズは約7日、エンレイ、 タチナガハは約9日、スズユタカは約15日、ホウレイは20〜25日となる。 (図1)
    3. 成熟期後の品質の変化と収穫終期:成熟期後の品質を大きく左右するのはしわ粒の 発生程度で、タチナガハ及びホウレイは、収穫までの期間が長くなるに従いしわ粒が 増加する。しわ粒の発生許容限界15%とした場合、タチナガハは成熟期後24日まで、 ホウレイは28日までに収穫する必要がある。
      エンレイ、スズユタカは成熟期後30日以内でしわ粒の増加はみられず、この間に 収穫すれば品質の変化は少ない。
      コスズは、しわ粒の発生が全般に少なく、成熟期後35日まで収穫が可能である。 (図2)
  2. 技術・情報の適用効果
    大豆に対する汎用コンバインの収穫適期を明らかにしたことで、適切な作業計画の 立案、並びに汚損粒の発生防止など品質低下の軽減がはかれる。
  3. 適用の範囲
    県下全域
  4. 普及指導上の留意点
    1. 技術の適応に当たっては圃場全体の成熟度に十分留意する。
    2. 茎水分は収穫前の気象条件で変動するので、収穫開始前に必ず茎水分を確認する。


[その他の特記事項]
研究課題名:汎用コンバイン導入のための大豆栽培法の改善
予算区分 :国庫助成
研究期間 :昭和63年〜平成2年
発表論文等:東北農業研究43号