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土壌腐植含量による可給態窒素量の推定
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[要約]
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土壌腐植含量及び可給態窒素量の対数値の関係は、土壌型により6つのグループに
分けわれ、ほぼ直線関係にあった。この関係を利用し、土壌腐植含量及び土壌型から
可給態窒素量が推定可能である。
宮城県農業センター・土壌肥料部・土壌保全科
[連絡先] 022-383-8123
[部会名] 生産環境部会(土壌肥料)
[専門] 土壌
[対象]
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
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土壌の腐植含量及び可給態窒素量は母材、堆積様式等によってかなり異なり、両性質とも
水稲生育にとって重要な役割を持っている。特に可給態窒素量は土壌窒素供給力の指標として
多く用いられている。土壌型によって土壌腐植含量と可給態窒素量の関係が異なることが
明らかになり、可給態窒素量の推定が可能になったので報告する。
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[成果の内容・特徴]
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土壌腐植含量(全炭素×1.72;%)と可給態窒素量(風乾土30℃、4週間湛水培養;
NH4-Nmg/100g乾土)の関係は、対数値を取るとほぼ直線関係にあり、
その傾きにより土壌型は6つのグループに分けられた。
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土壌腐植含量と可給態窒素量の関係式は下表の通りである。
上式より、土壌型ごとに土壌腐植含量から、可給態窒素量が推定可能である。
図1 土壌腐植含量と可給態窒素の関係
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[成果の活用面・留意点]
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可給態窒素量は乾土効果を含む一定条件下でのアンモニア化成量であるので、
実際圃場では気象、栽培条件下の違いを考慮し、作物が吸収しうる地力窒素量の
指標とする。
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ランドサットによる土壌腐植含量の推定式と、土壌腐植含量による可給態窒素量の
推定式から、リモートセンシングによる可給態窒素量の広域的推定が可能になる。
[その他]
研究課題名:水稲生産技術情報システムの精度向上に関する研究
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成2〜6年)
発表論文等: