研究所トップ研究成果情報平成4年度

性フェロモン剤を利用したコナガ防除開始時期の予測


[要約]
初夏どりキャベツにおいて、性フェロモントラップへの誘殺数からコナガ防除 開始時期を現地で簡便に予測する方法を確立した。
岩手県園芸試験場環境部
[連絡先] 0198-68-2331
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専門]  作物虫害
[対象]  葉茎菜類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
コナガは合成ビレスロイド剤が急激に効力低下したように薬剤抵抗性が発達しやすく、 難防除害虫のひとつである。本種は本県では越冬できないので、成虫の飛来により 県内発生が始まるが、最近の暖冬経過の影響で県外の越冬地帯が北上していると 考えられ、春期の誘殺数が年々増加し発生時期が早まっている。 そこで、薬剤を効率的に使用するため、初夏どりキャベツにおいて 性フェロモントラップへの誘殺数から防除開始時期を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 初夏どりキャベツでは、性フェロモントラップに誘殺された5日間の成虫数と その後5日間の平均気温利用して、10日後まで防除開始の有無を予測できる。 (図1表1表2)
    • 誘殺された5日間の成虫数が29頭以下の場合、10日後まで防除は不要である。
    • 誘殺された5日間の成虫数が30頭以上の場合、その後5日間の平均気温が16℃未満で あれば10日後まで防除は不要である。
    • 16℃以上であれば6〜8日後に防除を開始する。

[成果の活用面・留意点]
  1. 降雨量など他の気象要因については未検討である。
  2. 誘殺数は毎日調査し常に新しい誘殺データで予測する。

[その他]
研究課題名:キャベツ害虫の体系化防除
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
発表論文等:なし