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そば「最上早生」の耕種的方法による草丈制御と倒伏の軽減


[要約]
そば「最上早生」は、8月上旬播種、基肥窒素施用量0.3kg/a、 播種量0.4~0.5kg/aで生育量の確保と倒伏軽減が図られる。 開花始期の草丈が80cm以上では倒伏の危険性が高く、 65cm以下では開花以降の草丈伸長量が大きくても倒伏は軽微である。
山形県立農業試験場・作物部
[連絡先] 023-647-3500
[部会名] 畑作物
[専門]  栽培
[対象]  雑穀類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
そばはコンバインによる収穫作業法が確立され、大規模栽培が可能であることから、 本県においても作付面積が増加している。
しかしながら、生育期間中の風雨の影響等により倒伏を招きやすいことから、 耕種的方法によって草丈を制御し倒伏を軽減する必要がある。 このため、本県の主力品種である「最上早生」を対象として、 栽培条件による草丈の伸長と倒伏程度について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 播種時期が早いほど、また基肥窒素施用量が多いほど、 開花始期及び成熟期の草丈が長く倒伏は増加傾向にある。 播種期が遅いと倒伏は軽微となるが、生育量の不足により収量が低下する。 播種量は0.4~0.5kg/aで倒伏が軽微であり、0.6~0.7kg/aに比べ収量が高い (表1)。
  2. 成熟期の草丈は110~120cmで収量が高く、120cmを越えると倒伏により減収する。 草丈が100cm以下では倒伏は軽微であるが生育量の不足により収量が低い (図1)。
  3. 開花始期の草丈は80cm以上では倒伏の危険性が高い。 また、草丈65cm以下では開花始期以後の草丈伸長量が大きくても 倒伏は比較的軽微となる(図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 山形県内平坦部における条間30cmのドリル播きでのデータである。
  2. 土壌の肥沃度、気象条件による変動を考慮する。
  3. 過剰な生育とならぬよう、播種期、基肥施用量、播種量を適正に設定する。

[その他]
研究課題名:地域特産物の一工程同時作業等高度機械化による
      高品位輪作体系の確立
予算区分 :国庫助成(地域基幹)
研究期間 :平成9年度(平成7~9年)
発表論文等:なし