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スプレイギク栽培での高圧ナトリウムランプ補光と炭酸ガス施用効果
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[要約]
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スプレイギク2月出し栽培において、高圧ナトリウムランブ補光と炭酸ガスの併用は、
慣行の白熱灯のみより初期生育を早め、切り花品質を向上させる。
宮城県園芸試験場・栽培部・花き科
[連絡先] 022-383-8132
[部会名] 野菜・花き
[専門] 栽培
[対象] 花き類
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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寒冷地のスプレイギク栽培では、冬春期出荷の場合、冬期の低温と日照不足のため、
生育遅延や品質低下が起こり、生産が不安定となっている。
そこで、2月出しスプレイギク栽培で、
高圧ナトリウムランプによる補光と炭酸ガス施用の初期生育、
切り花品質に及ぼす影響を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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高圧ナトリウムランプの補光時間は、栄養生長期間では日射センサー制御で
3,000lx以下の低照度となった時照射し、自然日長を含め16時間日長とし、
生殖生長期間では12時間日長とする(図1)。
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炭酸ガス施用は、液化炭酸ガスと制御装置を用い、栄養生長期間から開花まで、
午前5時~午前9時までとし、CO2濃度は1,000±200ppmとする
(図1)。
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スプレイギク2月出し栽培で、高圧ナトリウムランプ補光と炭酸ガスの併用は、
慣行の白熱灯のみより初期生育を早める
(表1)。
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切り花品質では、高圧ナトリウムランプ補光と炭酸ガスの併用は、
慣行の白熱灯のみより切り花長、切り花重などが優れる
(表1、図1)。
表2 150平方メートル試験ハウス当たりの経済性
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[成果の活用面・留意点]
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高圧ナトリウムランプ補光と炭酸ガスを併用すると、
無処理より栄養生長が盛んになり開花がやや送れる傾向があるため、
あらかじめ定植(直挿しを含む)を早めておく必要がある。
[その他]
研究課題名:ホームユースの拡大を目指したキク類の
寒冷地気象活用型省力栽培システムの確立
予算区分 :地域重要新技術(国庫)
研究期間 :平成8年度(平成6~8年)
発表論文等: