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穀物遠赤外線乾燥機による大豆乾燥技術
- [要約]
- 循環型の穀物遠赤外線乾燥機を使い、汎用コンバイン等で収穫される大豆を大量に、品質を低下させずに乾燥できる。
山形県立農業試験場・総合研究部
[連絡先] 023-647-3500
[部会名] 作業技術
[専門] 機械
[対象] 豆類
[分類] 指導・行政
- [背景・ねらい]
- 大豆の作付面積が大幅に増加しており、汎用コンバイン等で収穫される大量の大豆を効率的に乾燥調製する技術が求められている。一方、遠赤外線を用いた穀物遠赤外線乾燥機が開発され、普及が進みつつある。このため、穀物遠赤外線乾燥機を用いた大豆乾燥法について、毎時乾減率や品質に与える影響など大豆乾燥の特性を明らかにする。
- [成果の内容・特徴]
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- 汎用コンバインで刈り取った水分18%程度の大豆2〜4tを遠赤外線乾燥機に張り込み、平均熱風温度23〜26℃で乾燥させると、実乾燥時間10〜13時間で、毎時0.29〜0.35%の乾減率で14.5%程度まで乾燥できる(表1,図1、2)。
- この大豆乾燥においては、しわ粒と裂皮粒とも乾燥による発生は少なく、循環による損傷粒の発生も少ない。また、発芽率は乾燥前後とも高く、乾燥による品質の低下は認められない(表2)。
- 消費燃料(灯油)1s当たり除去水分質量は4.2〜5.7s/sで、消費電力量1KWh当たり除去水分質量は2.5〜4.0s/KWhである(表1)。
- 供試した乾燥機(Y社製NCD−50AXD)では、一度に最大張り込み量5,000s、面積200a分(10a当たり収量を生重250sとして算出)の乾燥が可能である。
- [成果の活用面・留意点]
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- 適用範囲は、大豆機械共同利用組織、大規模大豆栽培集団及び土地利用型作物の大規模農家である。
[その他]
研究課題名:高生産性直播技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成12年度(平成10〜12年度)
研究担当者:嶋津 誠、後藤克典、三沢民男