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山形県産大豆のタンパク含有率と豆腐の破断強度の関係


[要約]

 豆腐の硬さと子実中のタンパク含有率の間には相関があり、子実中のタンパク含有率が高まるほど豆腐が硬くなる傾向にある。良好な豆腐の硬さをうる子実中のタンパク含有率は「スズユタカ」で39%以上、「タチユタカ」では40%以上である。

[キーワード]

ダイズ、豆腐、タンパク質含有率、破断強度

[担当]山形農試・水田営農研究部
[連絡先]電話 023-647-3500、電子メール aisawana@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・畑作物
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 山形県の大豆作付け面積は飛躍的に拡大しているが、収穫量や品質の年次変動やロット間でバラツキが大きく、実需者サイドからは安定した品質・量の供給が求められている。そこで、県産大豆の主要な加工用途である豆腐について、加工適性上重要とされている子実中のタンパク含有率の変動を明らかにし、県産大豆の収量・品質の高位安定を目指す資料とする。
[成果の内容・特徴]
1. 子実中のタンパク含有率の平均は、「スズユタカ」で40.3%、「タチユタカ」で40.8%であり「タチユタカ」の方が若干高い(表1)。両品種の変動幅は、おおよそ38〜42%の間で変動する。しかし、干ばつや低温等の登熟障害や青立ち等の生理障害にあうと、品種特性としてのタンパク含有率の範囲から外れる(図2)。
2. 子実中のタンパク含有率と豆腐の破断強度の間には、正の相関関係がある(図1)。一般に豆腐加工適性上良好とされる破断強度は80g/cm2以上であり、この時の大豆の子実中のタンパク含有率は、「スズユタカ」で39%以上、「タチユタカ」で40%以上である(図1)。
3. 「タチユタカ」について、子実中のタンパク含有率と収量及び百粒重との間には正の相関関係がある(図2)。
[成果の活用面・留意点]
1. 「スズユタカ」及び「タチユタカ」の場合に限る。
2. 豆腐製造には、試験場(3ケ所)、奨励品種決定調査ほ(8ケ所)の生産物を使用した。
3. タンパク含有率と豆腐の破断強度との関係は、凝固剤としてGDLを用いた充填豆腐の場合である。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:大豆の実需用途別の品質・加工適性の解明と高品質栽培技術の開発
予算区分:委託
研究期間:2001〜2002年度
研究担当者:相澤直樹、鈴木雅光