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青森県津軽地方におけるリンゴコカクモンハマキの発生回数の減少


[要約]

  青森県津軽地方において、以前は年3回発生していたリンゴコカクモンハマキが、近年は年2回の発生パターンを示すように変化している。

[キーワード]

リンゴ、リンゴコカクモンハマキ、発生回数、発生消長、フェロモントラップ

[担当]青森農林総研・りんご試験場・病虫肥料部、青森農林総研・病害虫防除室
[連絡先]電話 0172-52-2331、電子メール yoichi_ishiguri@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 青森県津軽地方におけるリンゴコカクモンハマキの発生回数は、これまで年3回とされていた。しかし、近年の発生消長を見ると、年3回の発生パターンに当てはまらない場合が多い。そこで、津軽地方各地に設置しているフェロモントラップにおける過去の成虫誘引消長を再検討する。
[成果の内容・特徴]
1. 1980年代には、越冬世代成虫、第一世代成虫、第二世代成虫の明らかな誘引ピークが認められ、年3回の発生パターンを示している(図1)。
2. 1990年代前半から、越冬世代成虫及び第一世代成虫の誘引最盛期は遅くなる傾向が見られ(図2)、それとともに第二世代成虫の誘引が減少、または見られなくなり、その後、年2回のピークを持つ発生消長が維持されている。
3. 年2回発生型における越冬世代成虫及び第一世代成虫の誘引最盛期は、それぞれ6月第6半旬前後及び8月第6半旬前後である(図2)。
[成果の活用面・留意点]
1. 近年のリンゴコカクモンハマキ成虫の発生時期を知ることにより、円滑な防除適期の予測が可能になる。
2. 発生消長は地域や年によって異なるので、地域ごとにフェロモントラップを設置し、その年の発生消長を調べ、防除適期の把握に努めるようにする。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:主要害虫の生態と防除
予算区分:県単
研究期間:1980〜2003年度
研究担当者:石栗陽一、会津博作(青森農林総研)