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積雪地帯における大豆・小麦立毛間播種栽培の雑草管理技術


[要約]

 積雪地帯における大豆・小麦立毛間播種栽培では、中耕・培土作業と茎葉処理除草剤散布を組み合わせた除草体系を実施することで、2作目以降も雑草発生量を低く抑えることができる。

[キーワード]

コムギ、ダイズ、立毛間播種栽培、雑草管理

[担当]山形農試・総合研究部
[連絡先]電話 023-647-3500、電子メール gotokatsu@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・作業技術
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 立毛間播種栽培は、作物立毛中の条間に次の作物を播種し間作期間を設けることにより寒冷地でも大豆−小麦−大豆の2年3作が可能となる技術である。反面、作物が常に生育しているため、2作目以降では土壌処理除草剤を使用できず雑草管理が難しい。また積雪地帯においては、晩秋の長雨、融雪後の圃場軟弱化を考慮した除草体系が定まっていなかった。そこで、中耕と茎葉処理除草剤散布を組み合わせた効果的な除草体系を構築する。
[成果の内容・特徴]
1. 積雪地帯における大豆・小麦立毛間播種栽培の雑草管理体系を図1に示し、作目別の管理方法を以下に示す。
2. 1作目大豆栽培では、通常の大豆栽培と同じ管理を実施し、播種後の土壌処理除草剤散布と培土を2回行う。イネ科雑草の発生が多い場合は、茎葉処理除草剤を散布する。
3. 2作目小麦栽培では、融雪後に茎葉処理除草剤散布と条間の中耕を実施すると雑草の発生量を抑制できる(図2)。
4. 3作目大豆栽培では、3葉期に中耕1回、6葉期に培土1回を実施すると、収量性を確保しながら、条間、株間の雑草の発生量を抑制することができる(図3)。イネ科雑草の発生が多い場合は、中耕・培土作業に加えて茎葉処理除草剤を散布するとより効果が上がる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
1. 小麦栽培の中耕は、雑草が繁茂する前に実施する。(4月下旬までに実施)
2. 小麦播種時に大豆培土の高さが10cm以上の場合は、湿害防止のために培土崩し装置を付けて小麦の播種を行う。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:大豆・小麦立毛間播種栽培技術の開発
予算区分:国庫(地域基幹)
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:後藤克典、長岡正三