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ダイズわい化病の1次感染時期


[要約]

 ジャガイモヒゲナガアブラムシにより伝搬されるダイズわい化病ウイルスSbDV−YS系統の1次感染時期は、5〜6月の2か月にほぼ限定される。

[キーワード]

ダイズわい化病、SbDV-YS、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、1次感染

[担当]青森農林総研・畑園試・病害虫防除室
[連絡先]電話 0176-53-7631、電子メール nozomi_kitano@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ダイズの安定生産を図る上で、ダイズわい化病の発生が大きな阻害要因となっている。ダイズわい化病は、SbDV-YS系統の媒介虫であるジャガイモヒゲナガアブラムシの有翅虫による圃場外からのウイルス伝搬(1次感染)と、圃場内でのウイルス伝搬(2次感染)によって蔓延すると考えられ、1次感染を防止することがわい化病を防除するうえで重要である。そのために、1次感染時期を推定する必要がある。
[成果の内容・特徴]
1. ダイズ幼苗を半旬ごとに圃場に暴露することにより、わい化病の1次感染時期を推定できる(図1)。
2. ジャガイモヒゲナガアブラムシの飛来消長は年次によって変動するが、これに関わらず、主要な1次感染時期は5〜6月にほぼ限定される(図1)。
3. したがって、1次感染防止のための重点防除時期は、出芽始め〜6月末である。
[成果の活用面・留意点]
1. 1次感染時期が明らかになったことにより、薬剤散布等の効率的な防除計画の策定が可能になる。
2. ダイズわい化病の発生がみられた圃場では、7月以降の2次感染を防止するために、状況に応じてアブラムシ防除薬剤を茎葉散布する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:被覆資材と耕種的防除技術を中心としたダイズ病害虫総合防除技術の体系化と実証
予算区分:IPM
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:石谷正博、桑田博隆、北野のぞみ、忠英一、松田正利、本多健一郎(野茶研)