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大豆におけるジャガイモヒゲナガアブラムシの効果的防除方法


[要約]

 7月20日以降、開花期までにジャガイモヒゲナガアブラムシの寄生密度が増加した場合、エチルチオメトン粒剤を培土終了後に株元散布すると防除効果が高い。

[キーワード]

大豆、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、防除時期、防除法

[担当]山形農試・庄内支場・水田技術研究部
[連絡先]電話 0235-64-2100電子メール odaku@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ジャガイモヒゲナガアブラムシは大豆わい化病を媒介するだけでなく、多発した場合には葉が黄化・褐変し早期落葉により、収量や品質の著しい低下等の被害を及ぼす害虫である。効果のある薬剤としては土壌処理剤と茎葉処理剤があるが、その使い分けと効果的な使用方法を確立する。
[成果の内容・特徴]
1. ジャガイモヒゲナガアブラムシは各地で6月中旬以降確認されたが、7月中旬まで寄生密度は低く推移した。7月下旬〜8月中旬にかけて寄生密度が高まり一部で早期落葉被害もみられた(図1、2)。
2. 7月下旬〜開花期にジャガイモヒゲナガアブラムシが増加した場合、土壌処理剤の施用の効果が高い。土壌処理剤の株元散布後培土処理と培土後株元散布では、培土後株元散布の効果が高い。(表1)
[成果の活用面・留意点]
1. 7月20日以降、開花期までにジャガイモヒゲナガアブラムシの吸汁被害が急激に進む場合は、土壌処理剤を2回目の培土後に株元散布する。大豆のアブラムシに登録があり、収穫60日前まで使用可能な土壌処理剤としてはエチルチオメトン粒剤がある。散布量は3〜6kg/10aである。
2. 開花期以降、急激にジャガイモヒゲナガアブラムシの吸汁被害が進む場合は粉剤で防除する。粉剤による防除は大豆の生育量が過剰の場合、薬剤が葉裏まで到達せず、効果が劣ることがあるので、多口ホース噴頭を利用し空気流量を高めて吹き返しで葉裏まで十分薬剤が付着するように留意する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生生態の解明と防除技術の確立
予算区分:国 庫
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:小田 九二夫