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「ふくしま赤しゃも」の三枚冠統一などによる市場評価の向上


[要約]

 イメージアップのための三枚冠統一、安全安心を重視し抗生物質無添加飼料の給与及び運動場を設けた健康的な飼養管理等、消費者のニーズに応えた生産・供給により、ふくしま赤シャモの需要は拡大する。

[キーワード]

シャモ、三枚冠、安全、安心、抗生物質、市場評価、消費者

[担当]福島鶏試・経営部
[連絡先]電話 024-932-1678、電子メール youkeisi@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・畜産
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 当場は平成9年「ふくしま赤しゃも」(以下赤しゃも)を完成し川俣町を中心に生産販売を開始した。以前のシャモロードと比べ「ジューシーな地鶏」として鶏専門店等の高い評価を受け順調に生産を行っているが、更なる需要拡大をめざし次の高品質化に努めた。(1)イメージアップのため単冠・三枚冠が混在していたので、シャモの特徴である三枚冠に統一した「新ふくしま赤しゃも」を開発した。(2)安全安心な地鶏生産のため28日齢以降の肥育期は抗生物質無添加飼料を給与した。(3)運動場を設け健康的に飼養した。これら消費者ニーズに着目した高品質化により市場評価の向上に取組んだ。
[成果の内容・特徴]
1. 旧ふくしま赤しゃもは、レッドコーニッシュ(単冠)が祖父に入っているので単冠と三枚冠が混在していた。イメージアップのため三枚冠への育種改良が求められ、「大型シャモ」を閉鎖し、三枚冠優性遺伝子にホモ化を実施した(図1)。後代検定を取入れ効率的に行った結果、三枚冠の出現割合はG3で(♂97.1%、♀83.4%)であったが、G4・5では♂♀ともほぼ100%になった(表1)。「新ふくしま赤しゃも」は三枚冠に統一されたことで、消費者(レストラン・旅館等のユーザーを含む)の評価は高い。
2. シャモの特徴である三枚冠統一よる発育の低下はなく、むしろ若干発育が良い傾向である(表2)。
3. 三枚冠統一によるイメージアップ、抗生物質無添加飼料による地鶏の安全安心の増進、運動場設置による健康管理等、消費者のニーズに応えた生産・供給により、生産羽数は約1.8倍に拡大した(図2)。
[成果の活用面・留意点]
1. 消費者の安全安心の関心が高まっていることから、育雛期も抗生物質の入らない飼料による育雛技術を確立することで、さらに需要の拡大が期待できる。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:高品質肉用鶏の系統造成 (1)シャモ交雑鶏からの三枚冠選抜
予算区分:県単
研究期間:2001〜2005年度
研究担当者:岡崎充成、小山有子、関澤春仁、猪狩勉、生沼英之、野崎達雄、小山喜男、山内克彦、早川秀輝