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| [背景・ねらい] |
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国産の納豆用小粒大豆については堅調な需要があり、東北地域では岩手、宮城および秋田県を中心に極小粒品種「コスズ」が作付けされている。また、岩手県では早熟な小粒品種「鈴の音」が奨励品種に採用されている。しかし、両品種ともダイズモザイクウイルスの系統CとDに抵抗性を持たないため、両系統が分布する東北南部での普及を困難にしている。また、「コスズ」は耐倒伏性が弱く栽培しにくい難点がある。そのため、東北南部でも普及可能なダイズモザイク病に強く耐倒伏性に優れた納豆用の極小粒品種の育成を図る。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
ダイズモザイク病抵抗性で耐倒伏性、小粒、良質の「刈交778F5」を母に、納豆用の極小粒品種「コスズ」を父として人工交配を行い、以後、選抜・固定を図り、育成した系統である。平成15年における世代はF1111である(表1)。
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| 2. |
ダイズモザイク病抵抗性が"強"(A、B、C、Dの各系統に抵抗性)である(表2)。 |
| 3. |
「コスズ」より短茎で耐倒伏性が優る(表1)。 |
| 4. |
成熟期は“中”で、子実収量は「コスズ」並からやや多収である(表1)。 |
| 5. |
子実の粒大は「コスズ」並の“極小”であり、「鈴の音」より小さい。外観品質は「コスズ」並である(表1)。 |
| 6. |
最下着莢節位高は「コスズ」より低い(表1)。 |
| 7. |
納豆加工適性が優れる(表3)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
栽培適地は東北中南部である。 |
| 2. |
山形県で認定品種として採用予定である。 |
| 3. |
最下着莢節位高が低いため、コンバイン収穫時には刈高さに注意する。 |
| 4. |
ダイズシストセンチュウ抵抗性を持たないため、連作やセンチュウ汚染圃での栽培は避ける。 |
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