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| [背景・ねらい] |
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水稲冷害早期警戒システムでは、東北全域を対象に気象の変動下での作柄を診断するために、簡単な生育モデルを作成して障害型冷害の危険期などを監視している。しかし、内島の冷却量でおおまかな推定はしているものの、障害不稔割合の推定は行っていない。
そこで、恒温深水処理による不稔発生に基づいて、幼穂の発育モデルでも使用している発育ステージを示す有効積算気温とその時の冷却量の関係から障害不稔割合を予測するモデルを作成し、圃場への適用を試みた。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
恒温深水処理による「あきたこまち」の不稔率を目的変数に、幼穂の発育ステージを示す10℃以上の有効積算気温5℃日ごとに算出した日平均温度(処理中は水温、処理前後は気温)に対する基準温度20.5℃の冷却量を説明変数として、重回帰モデルにあてはめると幼穂形成期と危険期にピークをもつ偏回帰係数が得られ、他年度も含む寄与率は83.6%であった(図1)。 |
| 2. |
この偏回帰係数を同じ試験を行った「ササニシキ」「ひとめぼれ」に適用する際に、冷却度の基準温度を耐冷性”やや弱”の「ササニシキ」は21℃に、耐冷性”極強”の「ひとめぼれ」は19.5℃に変更すると、「ササニシキ」の寄与率は90.6%、「ひとめぼれ」は80.7%であった(図2)。 |
| 3. |
水深5cm程度で栽培された生育診断圃で発生した2003年の障害不稔割合に対して、この偏回帰係数と幼穂が水中にある幼穂形成期前後は水温を用い、その後気温を用いた冷却量で計算すると、圃場での障害不稔発生もおおむね予測できた。(表1) |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
重回帰モデルを求めるには不稔率が0〜100%に適度に散らばったデータが望ましい。 |
| 2. |
このモデルは早期警戒システムにおける監視活動に用いる。 |
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