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「下田不知」由来のセンチュウ抵抗性・強の「スズユタカ」と抵抗性・弱の「茨城豆7号」の交雑集団(0863F2)を用いて、DNAマーカーの1種類であるSSR(Single Sequence Repeat)マーカーを主体にした連鎖地図を作製し、QTL (Quantitative Trait Loci:量的形質遺伝子座)解析により、「スズユタカ」のセンチュウ抵抗性に関する3つのQTLを検出した(図1)。このうち寄与率(センチュウ抵抗性の表現型全分散に占めるQTLの表現型分散の割合)が最も大きいのは連鎖群GのQTL(31.2%)である(表1)。 |
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検出された3つのQTL近傍マーカーのうち、連鎖群GのSatt309のみ、マーカー型が感受性型およびヘテロ型の交雑後代において、全てセンチュウ抵抗性(表現型)が弱である(図2)。 |
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解析集団以外の「下田不知」由来センチュウ抵抗性分離集団についても同様の結果が得られたことから(図2)、Satt309を抵抗性判別のマーカーに選定する。 |
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Satt309マーカーが感受性型およびヘテロ型の個体は、センチュウ抵抗性が弱であるため、本マーカー選抜により供試個体の約75%を廃棄できる。 |
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育成系譜上の母系ならびに父系の祖先に「下田不知」が存在するセンチュウ抵抗性・弱の品種の中には、Satt309マーカー型が抵抗性型の品種(おおすず、タチユタカ)も認められる(表2)。 |