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ニンニクの萌芽・発根を抑制する38℃加温処理の期間と適期


[要約]

 適期に収穫・乾燥したニンニクに対する38℃加温処理は萌芽・発根を抑制し、未調製のニンニクではこの抑制効果が高い。処理期間は2週間、処理開始時期はりん片長に対する新芽の長さの割合が0.6程度の時が適する。この適正処理により、発根が6週間程度、萌芽が10週間程度遅くなる。

[キーワード]

ニンニク、未調製、38℃加温処理、萌芽・発根抑制

[担当]青森農林総研・畑作園芸試験場・栽培部
[連絡先]電話 0176-53-7171、電子メール toshimi_iwase@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ニンニクに登録があった萌芽抑制剤が販売中止になったことに伴い、薬剤を使用せずかつ萌芽・発根の無い状態で周年出荷をする代替技術を確立することが急務となった。そこで、低温貯蔵を経ないで10月〜11月に出荷するために、農家の乾燥施設でできる簡易な方法として、乾燥温度である38℃の加温処理について検討し、処理期間、処理開始時期、萌芽・発根抑制効果等を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1. 適期に収穫・乾燥した保管中のニンニクは、38℃加温処理により萌芽・発根が抑制される。この萌芽・発根抑制効果は、未調製のニンニクで高く現れる(表1、表2、表3)。
2. 38℃加温処理の期間は2週間が適する(表1、表2、表3)。
3. 38℃2週間の加温処理開始の適期は、りん片長に対する新芽の伸びの割合が0.6の時期である(表2、表3)。
4. 適期に38℃2週間の加温処理をした場合、発根が6週間程度、萌芽が10週間程度抑制される(表2、表3)。
[成果の活用面・留意点]
1. 適期収穫と適正乾燥を徹底する。
2. 低温貯蔵をしないで、11月中旬頃まで出荷ができ、計画出荷に役立つ。
3. 加温処理後は暗黒条件での保管が効果的である。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:薬剤によらないにんにくの萌芽抑制技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:岩瀬利己