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食味が良く多粒莢率が高いエダマメ新品種候補「秋試1号」の育成


[要約]

 エダマメ「秋試1号」は、収穫期が「錦秋」並の中生種で、香りなど食味が優れる。また、多粒莢率が高く、若莢は「錦秋」並で大きい。

[キーワード]

エダマメ、新品種、秋試1号、香り、食味、多粒莢率

[担当]秋田農試・野菜花き部・園芸育種担当
[連絡先]電話 018-881-3317、電子メール y-himori@agri-ex.pref.akita.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 秋田県ではエダマメは野菜の重点品目の一つとして、水田転作が強化される中で生産が振興されている。また、生産流通面からは、莢の外観以上に、食味への関心が年々高まっているが、県内には核となる良食味品種がない。そこで、食味が優れた県オリジナル品種を育成する。
[成果の内容・特徴]
1. 「秋試1号」は1994年に秋田県農業試験場において、在来種から選抜した中晩生で良食味の「農試茶豆」を母、中生で大莢の「ツルムスメ」を父として交配し、その後代より育成した系統で、2003年においてF10である(図1)。
2. 「錦秋」に比べ、主茎長はやや短、主茎節数はやや少、分枝数と最下着莢節の高さは同程度である。開花期および収穫期は同程度で、早晩性は中生である。小葉数は5、花色は紫、成熟時の種皮色は黄、子実の大きさは極大である(表1、図2)。
3. 「錦秋」に比べ、可販収量はやや少ないが多粒莢率は高く、若莢の大きさは同程度で大きい(表2、図2)。
4. 「錦秋」に比べ、甘み、旨み、香りなど食味・食感が優れている。また、消費者グループインタビュー調査の結果、消費者の毛茸色に対する嗜好にも対応している(表2)。
[成果の活用面・留意点]
1. 県南部内陸地域の横手市と太田町で現地試験を行い栽培適応性を確認したが、普及対象地域は県内全域である。
2. 播種期など栽培方法は「錦秋」に準ずるが、「錦秋」に比べ草姿が立性で分枝が短いので、やや密植して収量確保に努める。
3. 2003年度中に品種登録の出願を予定している。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:戦略野菜・地域特産野菜等の新品種育成
予算区分:県単
研究期間:1994〜2003年度
研究担当者:檜森靖則、椿信一、佐藤孝夫、佐藤雄幸、佐々木和則、清野誠喜、篠田光江、宮川英雄、浅利幸男