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地温上昇抑制によるズッキーニの障害果軽減技術


[要約]

 ズッキーニのハウス抑制栽培において、ハウス屋根面を外部遮光し、さらにマルチ資材として地温上昇抑制型フィルムを併用すると、規格外果の発生が少なく、8・9月の前期収量が安定する。

[キーワード]

ズッキーニ、外部遮光、地温上昇抑制型フィルム、高温障害対策

[担当]秋田農試・野菜・花き部・野菜担当
[連絡先]電話 018-881-3316、電子メール t-taguchi@agri-ex.pref.akita.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 秋田県K村で、特産的果菜類として生産されているズッキーニは、施肥量や播種適期、温度管理など技術的に未解明な部分が多く、生産が安定していない。特にハウス抑制作型では、定植後高温下での生育となるため、受粉不良と見られる先細り果、短果(果長10cm以下)などの規格外果が発生し、初期収量が安定しない。そこで、ハウスの外部遮光と地温上昇抑制型マルチの併用により、規格外果の少ない安定生産技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
1. パイプハウスの屋根外部を30%遮光資材で被覆(両肩面手動巻き取り装置付き:図2参照)した期間中のハウス内気温は、無遮光と大差ないが、地温上昇抑制型マルチ内の地温は、遮光により抑制される(表1)。
2. 受粉不良と見られる規格外果は、受粉後(収穫日の3日前)の最高気温が30℃以上で発生する。規格外果の発生は遮光により抑制される(図1)。
3. 地温上昇抑制型マルチを使用して遮光すると、規格本数が多くなり、収量が増す(表2)。
[成果の活用面・留意点]
1. 外部遮光は晴天・曇天時のみとし、雨天時は行わない。
2. 受粉作業は、気温の上がらない朝に行う。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:中山間地域における産地マーケティングに基づく特産的高付加価値農産物の生産技術
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:田口多喜子、檜森靖則、田村 晃