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pF制御自動灌水同時施肥システムによる環境にやさしいキュウリ栽培


[要約]

 福島農試で開発したシステムで供給する液肥濃度は、半促成栽培が0.7dS/m、抑制栽培は0.5dS/mが適当と考えられる。このシステムによるキュウリ栽培法は、減肥が可能で、硝酸態窒素の土壌残量が少ないなど、環境負荷軽減に有効な技術である。

[キーワード]

キュウリ、pF制御、灌水同時施肥、減肥、環境負荷軽減

[担当]福島農試・野菜部・農芸化学部
[連絡先]電話 024-932-7786、電子メール noushi.aac@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 本県は、キュウリをはじめ野菜生産における施設化を推進している。しかし、キュウリの施設栽培においては、連作による塩類集積や、硝酸態窒素等の溶脱に伴う環境負荷の増大が懸念されている。
 このため、施設野菜を対象に開発したpFセンサー制御による灌水同時施肥システムのキュウリ栽培における適正な液肥濃度を明らかにし、さらに土壌中の硝酸態窒素の動態と溶脱状況を把握し、環境負荷の少ないキュウリ施肥法を開発する。
[成果の内容・特徴]
1. 本システムは、液肥混入機により設定した一定濃度(EC値)の液肥を点滴灌水する方式で、液肥の供給をpFセンサーで自動制御する(図1)。なお、pF値の設定は、灌水始点(pF)2.0、灌水止点(pF)1.8とする。
2. 本システムで供給する液肥濃度は、対照区と収量性を考慮すると半促成栽培が0.7dS/m、抑制栽培は0.5dS/mが適当である(表1)。
3. 施肥量については、対照施肥法より30%少ない窒素施用量で、対照区とほぼ同等の収量が得られ、減肥効果が明らかになった(表1)。
4. 本システムを用いたキュウリ栽培では、総節数に対する着果節数の割合が高くなる傾向がある(図2)。
5. 栽培終了後に土壌に残存する硝酸態窒素は対照区に比べ少なく、環境負荷軽減に有効な栽培法である(図3)。
[成果の活用面・留意点]
1. 本システムは、効率的な灌水・施肥管理により、減肥が可能で硝酸態窒素の土壌残量が少ないなど、環境負荷の少ないキュウリ栽培に活用できる。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:野菜・花きに対する灌水同時施肥による環境負荷軽減技術の開発
予算区分:県単
研究期間:1999〜2002年度
研究担当者:加藤義明、渡辺誠司、太田弘志