研究所トップ研究成果情報平成15年度

フラワーネット支持と穴あきフィルムによるハウスネギの軟白法


[要約]

 ハウスネギ栽培において、フラワーネットを利用した新たな軟白方法を開発した。従来の1条ごとにフィルム等で挟み込んでネギを軟白する方法に比べ、純利益及び収量が向上する。

[キーワード]

ハウスネギ、軟白、フラワーネット、穴あきフィルム

[担当]福島農試・いわき支場
[連絡先]電話 0246-34-2348、電子メール nousi.iwaki@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ハウスネギは、一般のネギとは異なり、柔らかく甘みがある高品質なネギとして注目されている。ハウスネギ栽培においては、特殊なフィルム等を使用してネギを1条ごとに挟み込む方法が一般的であるが、ここでは、フラワーネットで支持する簡易な軟白方法を新たに開発した。
[成果の内容・特徴]
1. フラワーネット支持によるハウスネギの栽培法は以下のとおりである。なお、本方法は福島県農業試験場いわき支場で開発した。
 チェーンポットに播種し、ハウス内に機械定植する。活着したらフラワーネット及び穴あきフィルムを張る。以後、ネギの生育に応じてネットとフィルムを上げていき、高さ45cmになったら、ベッド側面をフィルムで遮光して軟白する(図1左、表1)。
 従来の一条ごと軟白法は、マイカ線等で一条ずつネギを適宜誘引し、高さ45cmまで誘引したら一条ずつフィルムで挟み込んで遮光して軟白する(図1右、表1)。
2. フラワーネット支持による軟白法は、従来の一条ごと軟白法よりも密植が可能になり、収量が多く、L規格もほぼ同じ量生産される(表2)。
3. フラワーネット支持による軟白法(開発した方法・図1左)は、一条ごと軟白法(従来法・図1右)よりも純利益が高い(表3)。
[成果の活用面・留意点]
1. 純利益確保のためには286.2円/kg以上の販売単価が必要である。なお、想定する経営体は、水稲100a、ハウスネギ4a、露地ネギ20a、その他野菜類(ブロッコリー等)10aとして計算した。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:ハウス簡易軟白栽培における生産の周年化と安定化技術の確立
予算区分:国庫・先端技術等地域実用化研究促進事業
研究期間:2002〜2003年
研究担当者:常盤秀夫、石井睦美、岡本和夫