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バラ養液栽培のロックウール代替資材


[要約]

 バラの養液栽培で使用されるロックウールの代替資材として、使用後の利用性及び廃棄効率に優れるもみ殻くん炭及びフェノール発泡樹脂の培地適性を検討した。両資材はロックウールと同等以上の生産性を有し、環境保全型の代替資材として有望である。

[キーワード]

バラ、養液栽培、ロックウール、代替資材、もみ殻くん炭、フェノール発泡樹脂、環境保全

[担当]青森農林総研・フラワーセンター21あおもり・栽培開発部
[連絡先]電話 017-728-8721、電子メール kazuya_sasaki@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 バラ養液栽培ではロックウールを培地として使用しているが、再利用できず、不燃の産業廃棄物として埋立処理している。そこで、使用後の利用性や廃棄効率が高いもみ殻くん炭及びフェノール発泡樹脂を代替資材として用い、培地適性を収量および切り花品質の面から検討した。
[成果の内容・特徴]
1. もみ殻くん炭及びフェノール発泡樹脂を使用したときの採花本数と2L規格以上の採花本数は、ロックウールと同等あるいはそれ以上になる(表1)。切り花長と切花重は、両者ともロックウールと同等である。
2. 時期別採花本数の推移を見ると、いずれの資材も同様の傾向である(図1)。
3. 切花の鑑賞期間において、いずれの資材を使用しても差が見られない(表1)。
4. 両資材とも、4〜5年程度の長期使用に十分耐えられる(データ省略)。
[成果の活用面・留意点]
1. フェノール発泡樹脂は、フラワーアレンジメントのオアシスの類似物で、焼却してもダイオキシン等の有害物質が発生しないフェノール性無機質資材である。
2. 使用済みのもみ殻くん炭とフェノール発泡樹脂は、土壌改良材として農地への還元が容易であり、産業廃棄物処理場において焼却処分した場合には、廃棄物の減容化が図られる。
3. 両資材は、ロックウールに比べて、気相率が高く、乾燥しやすい資材なので、1回の給液時間を半分にし、給液回数を2倍に増やす(総給液量は同じ)。
4. 容器を使用しない栽培ベットの場合は、不織布のバックを使うなど工夫する。
5. もみ殻くん炭及びフェノール発泡樹脂は水洗いしてから使用する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:ロックウール代替資材の検討
予算区分:県単
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:佐々木和也
発表論文等: 佐々木・長根(2002)東北農業研究 55 :251-252