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寒冷地における枝物花木の栽培適応性


[要約]

 枝物花木4種類17品目・品種を栽培して生育状況、耐寒性、収穫時期等を調査し、岩手県における栽培適応性を明らかにした。

[キーワード]

枝物花木、寒冷地、栽培適応性

[担当]岩手農研セ・園芸畑作部・花き研究室
[連絡先]電話 0197-68-4419、電子メール CE0008@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 岩手県の花き生産は、露地品目と施設品目を組み合わせて推進してきている。枝物花木は、近年の耕作放棄地の増加や、花に対する需要の多様化が進む中で、集約性の高い施設品目と組み合わせることのできる露地品目として、有望と考えられる。
 そこで、枝物花木4種類17品目・品種を調査し、岩手県における栽培適応性について 検討する。
[成果の内容・特徴]
1. 枝物花木4種類17品目・品種について、生育状況、病害虫の発生、花・実の収穫時期等を明らかにした(表1)。
2. 定植後4〜6年経過時における耐寒性、花・実の着生を中心に評価すると、以下の9品目・品種が岩手県の気候風土への適応性が高い(表1)。
ガマズミ、オオデマリ、ビブルナムプリカツム「マリエシー」、
ビブルナムオプラス「スノーボール」、ビブルナムオプラス「コンパクタム」
シンフォリカルポス「マザーオブパール」、シンフォリカルポス「ホワイトヘッジ」
スモークツリー「ファー2レッド」、スモークツリー「ピンクファー」
[成果の活用面・留意点]
1. 病害虫の発生については注意深く観察することとし、早期防除に努めること。
2. ガマズミ等の実生苗木は、株毎の特性が異なることがあるので(表2)、形質の揃った挿し木苗を導入するか、有望株を自家増殖すること。ただし、増殖について制限が設けられている品種もあるので注意すること。
3. 導入の際には、試験に供試した品種以外にも有望な品種があるので、出荷先となる市 場の取扱い状況や出荷希望品種の確認をとること。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:寒冷地における枝物花木類の栽培技術体系の確立
予算区分:国庫、新技術
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:小田島雅、葛巻美知子、児玉勝雄、阿部潤