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冷蔵促成栽培フリージアの剪葉処理による品質向上


[要約]

 冷蔵促成栽培で、本葉の縮葉・巻き込み症状と草勢の強い品種にみられる茎葉の徒長は、冷蔵処理後(定植直前)に新葉を剪葉することで防止・軽減できる。なお、本処理を実施しても上位葉や花らい数に影響しない。

[キーワード]

フリージア、冷蔵促成栽培、品質向上、剪葉処理

[担当]山形砂丘農試 野菜花き畑作研究
[連絡先]電話 0234-91-1250、電子メール sashi@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 70cm以上のフリージアは「伸びすぎ」とされ、市場評価を下げる要因の1つとなっている。特に冷蔵促成栽培では、一定の大きさの球根を使用するため、主力品種「アラジン」のように草勢の強い品種では茎葉が徒長しやすい。また、本葉伸長時の葉鞘への引っ掛かりは奇形葉の原因となり、品質低下を招く。
 そこで、定植時の剪葉処理により、障害回避と品質向上を図る。
[成果の内容・特徴]
1. 冷蔵処理中15cm以上に伸びた新葉を、定植時に10p程度残して剪葉処理することで品質に影響する縮葉を軽減でき、特に本葉が伸長する際に葉鞘に引っかかり奇形葉となる症状(巻き込み)を回避できる(表1)。
2. 剪葉処理により切り花長、葉長を数cm短くできる(表2)。
3. この処理による第3葉より上位の葉への影響はなく、花らい数にも影響しない(表2、3)。
4. 「エレガンス」など他品種でも同効果がみられる(データ略)。
[成果の活用面・留意点]
1. 剪葉処理により定植作業時の株の倒伏が軽減でき、作業性が向上する。
2. 草丈は土壌水分などの栽培環境により変動するため、適切に管理する。
3. モザイク病の拡大に注意する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名:主要花きの省力化と作期拡大技術の開発
予算区分:県 単
研究期間:1998〜2002年度
研究担当者:菅原 敬、佐藤 裕則