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実付き枝物として利用可能なクラブアップルの品種

[要約]

クラブアップルを実付きの枝物として出荷するのに適した品種は「Red Splendor Crab」、「Snowdrift Crab」、「Redbud Crab」、「David Crab」である。これらの品種は赤色や朱色の小さな果実を多数着生し、9月から12月の実付き枝物の需要期に販売が可能である。

[キーワード]

クラブアップル、枝物、花材

[担当] 宮城農園研・園芸栽培部・果樹チーム
[連絡先] 電話 022-383-8132,電子メール marc-kk@pref.miyagi.jp
[区分] 東北農業・果樹
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
近年、単一の品種を栽植する「単植化」に対する生産者の要望が強まっている。単植化におけるリンゴ授粉樹としてクラブアップルの利用が想定されているが、クラブアップルからの副次的収入をねらって、実付き枝物出荷に適した品種を選抜する。
[成果の内容・特徴]
  1. 市場調査や市場担当者の聞き取り調査の結果、実付き枝物として市場性があるのは、果実横径15mm以下の品種である。
  2. 「Red Splendor Crab」、「Snowdrift Crab」、「Redbud Crab」、「David Crab」は、9月から12月の枝物需要期に出荷可能なクラブアップルである(表1図1) 。
  3. 「Red Splendor Crab」は、果実の色が赤色で、果実横径が14mm程度、果形は円形で、12月中旬まで鑑賞できる(表1)。
  4. 「Snowdrift Crab」は、果実の色が朱色で、果実横径が11mm程度とやや小さめで、果形は円形で12月上旬まで鑑賞できる(表1)。
  5. 「Redbud Crab」は、果実の色が鮮赤色で美しい。果実横径は12mm程度、果形は円形で12月後半まで鑑賞できる(表1)。
  6. 「David Crab」は、果実の色が鮮赤色で透明感があり、果実横径が14mm程度、果形は扁円形で12月後半まで鑑賞できる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 9月から12月は花展が多く開催され、ブライダルシーズンでもあり、実付き枝物の需要が多い。また、ナナカマドとナンテンの端境期にもあたり、クリスマス需要としても出荷可能である。
  2. 通常のリンゴと同時防除できる。
  3. 「Red Splendor Crab」、「Snowdrift Crab」、「Redbud Crab」、「David Crab」は「ふじ」に対して交雑和合性がある。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名 クラブアップルの有効活用による授粉樹確保と花材としての新需要創出
予算区分 県単
研究期間 2004〜2008年度
研究担当者 池田裕章、菊地秀喜