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岩手県における白インゲンマメ(手亡)の栽培特性
[要約]
岩手県における白インゲンマメは5 月下旬〜6 月上旬の播種で、栽植密度を700〜1,400 本/a とすることにより倒伏が少なく、収量及び品質において最も安定するが、立毛条件において成熟後日数の経過とともに、腐敗粒及び着色粒が増加する。
[キーワード]
白インゲンマメ、栽培特性、栽植密度
[担当]
岩手農研・園芸畑作部・野菜畑作研究室
[代表連絡先]
電話0197-68-4418、電子メール CE0008@pref.iwate.jp
[区分]
東北農業・作物(夏畑作物)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
種実用の白インゲンマメ(手亡)は白餡等の原料として和菓子製造業者から需要があるが、岩手県内における生産量は極めて少なく、原料のほとんどを北海道産に依存しているのが現状である。岩手県産の白インゲンマメを原料とした製品を作りたいという要望があるが、これまでに岩手県内での栽培事例は少なく、栽培技術は確立していない。そこで岩手県における栽培特性を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 5 月下旬の播種では、成熟期が8 月下旬となり、200kg/10a 程度の商品重となる。6 月中旬以降の播種では商品重が低下し、播種期が遅くなるほど茎径が細くなり倒伏も増加する(表1)。
- 播種期別の子実重に対する屑粒率及び被害粒率は、6 月中旬以降の播種区において増加し、屑粒は開花期から成熟期までの高温により多く発生する傾向があり、被害粒は開花期から成熟期までの高温・多雨により同様に増加する傾向がある(
図1 )。
- 栽植密度は700〜1,400 本/a(畦間70cm×株間15〜20cm×1本及び2本仕立)では、子実重及び粒数に差はなく、倒伏程度も小さい。2,000〜3,000 本/a(畦間30cm×株間20cm〜30cm×2 本仕立)と密植にすると、茎径が細くなり倒伏し易くなる(図2)。
- 気象条件にもよるが、立毛条件において成熟後日数の経過とともに腐敗粒及び着色粒が増加し、品質の低下が著しい(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果は岩手県北上市農業研究センターの普通畑圃場(土壌のタイプ:黒ボク土)において品種「姫手亡」を用いて得られたものである。
- 施肥量はN-P-K=4-17-12(kg/10a)とし、雑草防除は、播種後から出芽前に土壌処理型除草剤を散布した。病害虫防除は種子消毒を行い、開花期、開花後10 日及び20 日に菌核病及び灰色かび病を対象とした殺菌剤、アブラムシ類を対象とした殺虫剤を散布した。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- インゲンマメ(手亡類)の栽培法の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2006〜2007 年度
- 研究担当者
- 伊藤信二、高橋大輔、及川一也