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ダイズの連作年数とマメシンクイガおよびフタスジヒメハムシによる被害の関係

[要約]

ダイズにおける子実害虫の被害は、フタスジヒメハムシとマメシンクイガによるものが多く、マメシンクイガの被害は連作4年目以降に多くなる傾向にあり、フタスジヒメハムシによる被害は作付け初年目から多い傾向にある。

[キーワード]

ダイズ、フタスジヒメハムシ、マメシンクイガ、連作年数

[担当]

宮城古川農試・作物保護部

[代表連絡先]

電話0229-26-5108

[区分]

東北農業・基盤技術(病害虫)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

近年、宮城県におけるダイズの栽培は、田作ダイズが約90 %、畑作ダイズが約10 %を占めており、田作ダイズは水稲、ムギ類との輪作体系によるものが約60 %、ダイズの連作ほ場が約40 %を占めている。マメシンクイガはダイズの連作によって増加する害虫であり、連作年数と被害の関係が明らかになれば、防除体系の構築に役立つ。一方、フタスジヒメハムシによる被害は、作付け初年目のダイズにおいても問題となっていることが多い。そこで、現地のダイズにおける子実害虫の被害の実態について調査し、ダイズの連作年数とこれらの害虫の被害の関係について明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 近年、害虫による子実被害は、フタスジヒメハムシとマメシンクイガによるものが多い(図1)。
  2. ダイズの連作によりマメシンクイガの被害は増加し、特に連作4年目以降に被害が多くなる傾向にある(図2)。
  3. フタスジヒメハムシによる被害の発生は、ダイズの作付け初年目から多い傾向にある(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験は、宮城県北部の現地圃場において調査を実施した。害虫に対する防除は、生産者による慣行防除を行っている(平均防除回数2.2 回)。
  2. フタスジヒメハムシとマメシンクイガが問題となっている地域において、ダイズの作付け年数により防除体系を見直す際の参考となる。
  3. マメシンクイガの被害は、子実の縫合部を食して収量に影響を及ぼすことが問題となる。一方、フタスジヒメハムシは、莢表面の食害により子実に黒斑粒ができて品質が低下するため、近年少量でも問題になることが多い。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
大規模水田輪作におけるダイズの総合的有害生物管理(IPM)のための主要病害虫制御技術の開発
予算区分
県単
研究期間
2004 〜 2007 年度
研究担当者
小野亨