研究所トップ研究成果情報平成19年度

体細胞クローン技術を活用した候補種雄牛の産肉能力検定

[要約]

候補種雄牛の体細胞クローン牛は発育成績が正常で、その枝肉成績は脂肪交雑で育種価評価と同等の成績が得られ、産肉能力検定材料牛として有望である。

[キーワード]

繁殖、牛、体細胞クローン,産肉能力検定,黒毛和種

[担当]

宮城畜試・酪農肉牛部・バイオテクノロジー研究チーム、肉牛チーム

[代表連絡先]

電話0229-72-3101

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

種雄牛由来の体細胞を用いて体細胞クローン牛を生産し,産肉能力検定を実施することは,種雄牛の選抜速度や正確度を向上させ,家畜の改良・増殖を図るうえできわめて大きなメリットが期待される。候補種雄牛「安敏波」,「南安平」を材料牛として体細胞クローン牛を生産し,生産された各1頭を肥育して,発育状況および枝肉成績について調査を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. 体細胞クローン牛2頭の生時体重は,ドナー牛の生時体重より大きい傾向が認められる(表1)。
  2. 体細胞クローン牛2頭の発育は,日本飼養標準肉用牛の去勢平均と比較しても正常である(図1)。
  3. 2頭の体細胞クローン牛の産肉能力成績(表2)と,現場後代検定成績から算出した育種価評価を比較すると,枝肉重量はクローン牛の方が大きい傾向にあるものの,脂肪交雑については同等の成績が得られる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 産肉能力検定材料牛として体細胞クローン牛の利用の可能性が示唆される。
  2. さらに多くの候補種雄牛について体細胞クローン牛の生産・肥育を行い、産肉能力成績と現場後代検定から算出された育種価評価を比較し,データの蓄積,検討が必要。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
効率的な黒毛和種種雄牛造成とその活用法に関する研究
〜畜産新技術を活用した肉用牛産肉能力検定技術の確立〜
予算区分
県単
研究期間
2002 〜 2007 年度
研究担当者
早坂駿哉、千葉和義,佐藤元道,小堤知行, 高田直和(宮城県大崎家保)