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しもふりレッド母豚の夏季育成率向上技術

[要約]

系統豚「しもふりレッド」の夏季育成率は、子豚の栄養条件改善と圧死防止措置、および母豚へのシルクアミノ酸の飼料添加によって向上する。

[キーワード]

しもふりレッド、育成率

[担当]

宮城畜試・種豚家きん部・養豚チーム

[代表連絡先]

電話0229-72-3101

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

宮城県では平成14年度に完成したデュロック種系系統豚「しもふりレッド」の普及を進めている。しかし、雄系であるしもふりレッドは雌系のランドレースや交雑種のLWに比べ、泌乳量が少ないなど哺育能力が低く、特に7月から9月の夏季暑熱時に育成率低下が起こり易い。そこで、これまでの飼養管理方法の見直しを行うとともに、母豚への飼料添加を行い育成率向上を目指す。

[成果の内容・特徴]

  1. 分娩から離乳までの飼養管理として、@分娩介助、A代用乳の利用、B新生子豚への鉄剤に加えてビタミン剤の補給、C授乳期間を4週齢から3週齢に短縮、D分娩柵を離乳まで設置すること等により、子豚の圧死や衰弱死が著しく減少し育成率が50.0 %から71.6 %に大幅に向上する(表1)。
  2. 飼養管理見直し後の夏季妊娠母豚にシルクアミノ酸を0.5 %飼料に添加すると、育成率が対照区の71.3 %に比べ飼料添加区で93.4 %とさらに向上する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成果は、系統豚「しもふりレッド」の飼養管理およびマニュアルに活用する。
  2. 夏季に育成率が低下する母豚の飼養管理に利用可能。
  3. 泌乳を考慮してアミノ酸製品のシルクアミノ酸を用いたが、畜産用の汎用製品ではなくコストもかかるので、他のアミノ酸製品での検討も必要。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
抗菌性飼料添加物に頼らない高品質豚肉生産技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2006 〜 2007 年度
研究担当者
清水ゆう子、吉野淳良