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強遮光育苗によるデルフィニウムの秋出し栽培技術
[要約]
エラータム系デルフィニウムを遮光率90%以上の強遮光条件で育苗した場合、定植までの早期抽苔を防止し、秋出し栽培に利用できる。
[キーワード]
デルフィニウム、育苗、遮光、早期抽苔、秋出し栽培
[担当]
青森農林総研フラワーセ・栽培開発部
[代表連絡先]
電話017-728-8721
[区分]
東北農業・野菜花き(花き)
[分類]
技術・普及
[背景・ねらい]
エラータム系デルフィニウムの秋出し栽培では、育苗時に早期抽苔を生じ、早期開花と品質低下を引き起こす。この防止策として、夜間冷房育苗やセルトレイを利用した長期育苗が開発されているが、これらはそれぞれ施設整備費が高く、育苗期間が長い問題がある。
そこで、秋出し栽培の新たな育苗技術を開発するため、異なる遮光条件での育苗方法について検討する。
[成果の内容・特徴]
- エラータム系デルフィニウムを4月下旬に播種し、本葉1枚となる6月上旬に7.5cm鉢に移植し、遮光率が高い条件で100 日程度育苗することにより、育苗時の早期抽苔を防止できる。定植時の早期抽苔率は遮光率90%以上の強遮光条件で20 %以下に低下する(表1、図1)。
- 本法により得られた未抽苔の苗を8月上旬に定植することにより、10 月以降の切り花生産が可能になる(表2)。
- 夜間冷房育苗に比べて経費が少なく、セルトレイを利用した長期育苗に比べて育苗期間が短い利点がある。
[成果の活用面・留意点]
- 本内容は、エラータム系品種「ブルーバード」、「オーロラブルーインプ」を供試した場合の結果である。
- 遮光率は使用する資材等により変わるため予め測定する。
- 定植期が高温であるため、遮光等により活着を促す。
[具体的データ]



[その他]
- 研究課題名
- あおもりブランド花き品目の生産・流通技術の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2006 〜 2007 年
- 研究担当者
- 佐々木直子、佐々木和也、船木一人
- 発表論文等
- 佐々木・船木(2007)東北農業研究60:印刷中