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切り花リンドウの呼吸量とエチレン感受性

[要約]

切り花リンドウの呼吸量は保存温度が高いほど多くなり、保存温度が低い場合でも途中から温度を高くすると、さらに多くなる。また、エチレンに対する感受性は低い。

[キーワード]

リンドウ、呼吸量、エチレン

[担当]

岩手農研・生産環境部・保鮮流通技術研究室

[代表連絡先]

電話0197-68-4425

[区分]

東北農業・野菜花き(花き)

[分類]

研究・参考

[背景・ねらい]

リンドウは岩手県の花き生産における重要品目であり、生産量は日本一を誇っているが、市場関係者や小売業者から褐変花などの発生に関する情報が寄せられることがある。一方、農産物の輸出に対する機運が高り、岩手県ではリンドウも有望品目として検討されているが、輸出においては国内流通よりも流通期間が拡大することになる。

以上のことから、リンドウの花持ち性向上技術の開発が必要になってきているが、呼吸量やエチレン感受性についての知見はほとんどない。

このため、これらについて検討を行いリンドウの花持ち性向上技術開発の基礎資料とする。

[成果の内容・特徴]

  1. リンドウの呼吸量は、高温条件下ほど多くなる。また、保存中温度条件を後半高くした場合、高温で一定に保った場合より呼吸量は多くなる(表1)。
  2. エチレン処理しても褐変花、落花及び葉の黄変などの発生は認められないことからリンドウのエチレン感受性は低い(図1図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 切り花の中で呼吸量が多いトルコギキョウやスイートピーに比較するとリンドウの呼吸量は少ないが、07年に予備的に実施した試験結果では、高温条件下ほど褐変花の発生が多い。
    したがって、今後は無予冷の場合や、予冷後市場で外気温にさらされる場合など、流通期間の温度管理が低温で一定に保たれない場合の対応技術について検討を行う。
  2. リンドウからのエチレン生成は認められないか、認められる場合でも極微量である(データ省略)。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
りんどうの鮮度保持(花持ち性向上)技術の確立/輸出に対応したりんどうの流通技術の開発
予算区分
県単/高度化
研究期間
2005 〜 07 年度/ 2007 〜 09 年度
研究担当者
関村照吉