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イチゴの「産地」「品種」情報のPRは「リタイア世帯」と「子供あり世帯」がターゲット
[要約]
イチゴの「産地・品種」因子は、「リタイア世帯」が重視している。また、「子供あり世帯」が「言語情報」因子を重視することから、「リタイア世帯」に加えて「子供あり世帯」に対して「産地」「品種」情報をPRすることが販売の上で有効である。
[キーワード]
イチゴ、産地、品種、販売
[担当]
福島農総セ・企画経営部・経営・農作業グループ
[代表連絡先]
電話024-958-1700
[区分]
東北農業・基盤技術(経営)
[分類]
行政・普及
[背景・ねらい]
福島県では、イチゴのオリジナル品種の育成・活用による生産振興を進め、流通・販売面ではマーケティングを重視した県産農林水産物の販売促進を図っている。地元産イチゴをPRする際には、他県産に対して競争力を期待できる「産地」「品種」情報が消費者にどのように受け入れられるのかを知る必要がある。
福島県郡山市において行った消費者調査から、イチゴを購入する際に「重視すること」について行った質問によって、「産地」「品種」情報をPRする対象を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- フェイス項目から世帯を類型化すると、年齢が60 歳を超えて子供のいない二人暮しの「リタイア世帯」(140 名)、会社員または専業主婦で中高生と小学生以下の子供がいる「子供あり世帯」(102 名)、会社員または専業主婦で子供がいない「子供なし世帯」(139 名)に分類される(表1)。
- イチゴを購入する際に「重視すること」に関しての質問に対する答えから、重視されているのは「いたみのなさ」「色つや」であり、「価格」についてはばらつきが大きい。また、「産地」「品種」は全体としては重視されていないため、これらを重視するターゲットを明確にする必要性を示している(表2)。
- 「重視すること」10 項目を因子分析すると、「産地・品種」「見た目のおいしさ」「言語情報」の3因子が抽出される。「産地」「品種」は、このうち「産地・品種」の因子負荷量が大きい(表3)。
- 因子分析による3因子を座標軸とし、世帯類型ごとに因子得点をプロットすると、「産地・品種」は「リタイア世帯」で大きく、「言語情報」は「子供あり世帯」で大きい(図1)。
[成果の活用面・留意点]
- 2006 年12 月に、母集団を福島県郡山市の全世帯としてNTT 電話帳による無作為抽出を行い、回答者を「ご家庭で最もよくイチゴを購入される方」とした郵送調査法による消費者調査を実施し、標本数1,000 件のうち465 件を回収した。
- 地元産イチゴをPRするためのターゲットとなる消費者層が明確になる。
- イチゴの生産・流通・販売戦略に係る施策立案の資料となる。
[具体的データ]




[その他]
- 研究課題名
- 消費者等のイチゴ購入行動の把握
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2006〜2007 年度
- 研究担当者
- 半杭真一