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家畜飼料利用を目的としたブドウ搾り粕の長期保存技術
[要約]
ブドウ搾り粕の水分を調整してサイレージ化すれば、良質な発酵状態で6 カ月は保存可能である。サイレージ保存中の一般飼料成分の変化はほとんどなく、また抗酸化能としてのフラバノール類も減少しない。
[キーワード]
ブドウの搾り粕、サイレージ化、長期保存、抗酸化能
[担当]
山形農総研セ・畜産試験場・草地環境科
[代表連絡先]
電話0233-23-8811
[区分]
東北農業・畜産
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
山形県のぶどう生産量は国内3位で、ワインやジュースの県内加工も盛んで、生産工場では搾り粕の処理に多くの経費を必要としている。このため、これら残渣物の活用方法としての飼料化の研究を試み、併せて循環型社会の形成にも資する。
[成果の内容・特徴]
- 水分調整を行い、ビニール袋(72cm×50cm×厚1mm)に密封してサイレージ化を行えば、6カ月間は発酵品質を保持できる(表1)。
- 米ぬかやふすまを水分調整剤として利用すると、米ぬかでは脂肪含量が高く、ふすまではNFEが高かった(表2)。
- フラバノール含量はブドウ粕を多く含む水分75%調整が乾物1gあたり16〜28mg と高めで、6カ月間の保存期間中に消滅しない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- サイレージ保存でぶどう搾り粕を家畜飼料に利用できる。
- 実際に飼料として利用する際は、水分調整剤の種類・量により一般成分が著しく異なることから、飼料分析を行う必要がある。
[具体的データ]



[その他]
- 研究課題名
- 食物残渣の有効活用に関する研究
- 予算区分
- 委託
- 研究期間
- 2006 年度
- 研究担当者
- 石黒明裕、鈴木和仁、三上豊治