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水稲「ひとめぼれ」では登熟気温が低いと味度値は高い
[要約]
水稲「ひとめぼれ」の味度値は出穂期が遅いと高い傾向にあり,安全出穂期内では,出穂後40 日間の日平均気温と味度値には負の相関関係が見られる。また,味度値と出穂後積算気温の関係では,移植栽培に比べ直播栽培は概ね高く推移する。
[キーワード]
水稲,ひとめぼれ,味度値,登熟気温,日平均気温,積算気温
[担当]
宮城古川農試・水田利用部・稲作班
[代表連絡先]
電話0229-26-5106
[区分]
東北農業・作物(稲栽培)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
「おいしい米」が求められている中,営農段階で「おいしい米」に少しでも近づける技術の開発が要望されている。また,生産された米においては,流通段階で味度値等様々な食味値によって評価されている。そこで,「ひとめぼれ」を用いて,味度値と出穂後の登熟気温との関係について明らかにし,栽培法(移植栽培・直播栽培)及び時期(移植・播種)が味度値に与える影響等について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 安全出穂期(出穂後40 日間の日平均気温が20 ℃以上)以内であれば,出穂期が遅いと味度値(トーヨー味度メーター値,出穂後積算気温1,000 ℃頃の値)は高くなる傾向にある(図1)。
- 出穂後40 日間の日平均気温と味度値には高い負の相関関係が見られ,日平均気温が低いと味度値は高い(図2)。
- 出穂後積算気温と味度値の関係は,直播栽培では800 〜 900 ℃頃,5月下旬以降の移植栽培では1,000 〜 1,100 ℃頃に最高値となり,それ以降は低下傾向にある。直播栽培の味度値は移植栽培に比べ,出穂後積算気温が1,000 ℃頃までは概ね高く推移し,それ以降はほぼ同等となる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- この情報は,宮城県における「ひとめぼれ」の味度値の向上に活用できる。
- 出穂後積算気温が1,100 ℃頃を過ぎると味度値が低下することが分かり,適期刈り取りの重要性が再確認された。
- 使用したデータのu当たり籾数レベルは,移植栽培が26.4 〜 33.9 千粒/u,直播栽培が25.3 〜 31.2 千粒/uである。
- 味度値はトーヨー味度メーター(MA-90B),精米はトーヨー精米機(MC-90A),を用いて測定した。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- ブランド宮城米の“おいしさ指標”とその判定技術の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2004 〜 2006 年度
- 研究担当者
- 浅野真澄,三上雄史,佐々木次郎