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逆転ロータリと目皿式播種機による広畝成形同時播種方式の水稲乾田直播への利用

[要約]

逆転ロータリと麦・大豆用傾斜目皿式播種機による広畝同時播種方式は、播種と同時にロータリ爪による溝を安定的に成形することができる。成形された溝への通水により土壌水分調整ができ苗立ちが安定するため、本播種方式は水稲乾田直播にも利用できる。

[キーワード]

逆転ロータリ、目皿播種機、広畝同時播種、水稲乾田直播

[担当]

宮城古川農試・水田輪作プロジェクトチーム

[代表連絡先]

電話0229-26-5106

[区分]

東北農業・基盤技術(作業技術)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

水稲+麦+大豆の低コストで省力的な2年3作体系を確立するため、逆転ロータリと条間設定が自由な(麦・大豆用)傾斜目皿式播種機による、水稲乾田直播への汎用利用と発芽の安定化を兼ね備えた播種方式を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 逆転ロータリのチェーンケース側(3列)外向きロータリ爪の内向き爪への付替えと、ロ ータリカバーの調整により、往復作業で広畝ベッドが安定的に成形される(図1)。
  2. 成形された溝は、排水溝になると同時に、水稲乾田直播では土壌水分の調整に利用できる。水稲乾田直播の播種後の表面排水や通水により、作土内の土壌水分は降雨や乾燥などによる影響が少なく安定する(図2)。
  3. 水稲乾田直播では、浸種籾で通水することにより出芽が早く安定的な苗立ちが確保される (図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 基本的な排水対策が図れるほ場に導入する。
  2. 広畝成形は、逆転ロータリの機種を問わず可能であるが、同時播種は、条間変更が可能な播種機を利用する必要がある。
  3. 効率的に導水溝を施工するためには,圃場外周が最後になる作業工程が望ましい。
  4. 傾斜目皿式播種機による水稲乾田直播での種子は,播種精度を高めるため温湯法又は浸積法による消毒種子を使用する。なお,籾の大きさにより目皿(小麦用・大麦用)を使い分ける。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
寒冷地太平洋側における輪作リスク低減と大規模省力水田輪作の体系化
予算区分
委託プロ(担い手プロ)
研究期間
2007年度
研究担当者
星信幸、浅野真澄、滝沢浩幸、冠秀昭、辻本惇一