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イヌホタルイが発生した水田におけるアカスジカスミカメの防除適期
[要約]
イヌホタルイが発生した水田では,出穂始から穂揃期に薬剤散布を行うことでアカスジカスミカメによる斑点米被害を抑制できる。
[キーワード]
イネ,アカスジカスミカメ,イヌホタルイ,防除適期,斑点米
[担当]
宮城古川農試・作物保護部
[代表連絡先]
電話0229-26-5108
[区分]
東北農業・基盤技術(病害虫)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
アカスジカスミカメは,東北地方における斑点米の原因となるカメムシ類の主要種である。本種は水田周辺の牧草地等で繁殖し,水稲の出穂期以降に水田へ侵入し加害することから,穂揃期以降の防除が主体となっている。しかし,水田雑草のイヌホタルイが発生した水田では,水稲の出穂期以前に本種成虫が侵入し発生密度が高まるため斑点米被害が増加する。そこで,イヌホタルイが発生した水田における防除適期について検討する。
[成果の内容・特徴]
- イヌホタルイが発生した水田では,出穂始から穂揃期に薬剤散布を行うことで,穂揃期以降の本種の発生密度を低下させ,斑点米の発生を抑制できる(図1,2)。
- 穂揃7日後の薬剤散布は,本種の頂部加害に対しては効果が劣るが,側部加害を軽減する効果がある(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 割れ籾の発生が多い条件下では,本種による側部加害により斑点米が増加することがあるため,薬剤散布は「出穂始から穂揃期」と「穂揃7日後」の2回体系で行う。
- 本試験では「出穂始」を「初めて出穂が見られた日」とし,出穂始から穂揃期までの日数は7日であった。この日数は気象条件等の影響により変動するため,出穂状況を十分に観察した上で薬剤散布時期を決定する。
- 本試験は,イヌホタルイが多発した条件で試験を行った(表1)。
[具体的データ]



[その他]
- 研究課題名
- 斑点米カメムシ類のIPM技術の現地実証
- イヌホタルイ発生と斑点米被害の関係
- 予算区分
- 国庫
- 研究期間
- 2005〜2007
- 研究担当者
- 加進 丈二,畑中 教子,小野 亨,小山 淳