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イチゴ10月どり栽培における自然換気型細霧冷房と遮光資材による昇温抑制効果
[要約]
自然換気型細霧冷房と遮光率60〜70%程度の資材を組み合わせることでハウス内温度を降下させることができる。70%の遮光資材では、「とちおとめ」の第1次腋果房の花芽分化を30%程度促進させることができ10月からの長期連続収穫に適する。
[キーワード]
イチゴ、自然換気型細霧冷房、遮光資材、10月どり
[担当]
宮城農園研・園芸栽培部・野菜チーム
[代表連絡先]
電話022-383-8132
[区分]
東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
寒冷地の立地条件を活かし、10月から収穫開始を目標とした一季なり性イチゴの前進作型での適品種と長期連続収穫を目標とした腋果房の花芽分化方法を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 10月どり栽培で、自然換気型細霧冷房と遮光率60〜70%程度の資材を組み合わせることでハウス内温度は外気温程度まで降下させることができ、「とちおとめ」では遮光率70%程度の遮光資材を利用することで第1次腋果房の出蕾を促進できる(図1、表1)。
- 「とちおとめ」の場合遮光率60%では遮光率70%より商品果平均1果重が大きく収量が多くなるが、第1次腋果房出蕾までの展葉枚数が多くなる(表1)。
- 一季成り性イチゴの10月どりで、糖酸比10.0以上となる時期を収穫開始の目安とした場合、「もういっこ」、「とちおとめ」は10月中旬から、「さちのか」では9月下旬からである(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 糖酸比10.0以上の評価は、生食用とした場合の評価である。
- 遮光資材は巻き上げができるものとし、曇天、降雨が続く場合は巻き上げる。
- 自然換気型冷房と遮光資材の利用は定植直後(8月上旬)から9月下旬までで、9月下旬以降は慣行の促成栽培の温度管理に準ずる。
- 自然換気型細霧冷房のインターバルは6分稼働、10分停止を基本とし、ハウス内温度を計測し適宜調節できるものとする。また、開花後は午前中の開始を遅くし、受粉を優先させる。
[具体的データ]



[その他]
- 研究課題名
- 寒冷地におけるイチゴの周年供給システムの確立
- 予算区分
- 交付金プロ(寒冷地イチゴ)
- 研究期間
- 2003〜2007年度
- 研究担当者
- 鹿野弘、岩崎泰永、高野岩雄