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イチゴ夏秋どり栽培における冷水ウォーターカーテンの利用による昇温抑制

[要約]

イチゴ夏秋どり栽培において、夏期高温期にハウス内にウォーターカーテンを設置し、冷水を散水すると,施設内気温,地温および葉温の昇温が緩和され,果実収量が増加する。

[キーワード]

イチゴ、夏秋どり、ウォーターカーテン

[担当]

宮城県農業・園芸総合研究所・園芸栽培部 野菜チーム、岩手大学農学部・農学生命課程

[代表連絡先]

電話022-383-8132

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

イチゴ夏秋どり栽培において、高気温と強日射による施設内気温・地温の上昇と作物体温の上昇は、生育や果実肥大に大きく影響する。そこで、夏期高温期におけるウォーターカーテンの利用が気温、地温や作物葉温および生育や果実収量への影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 天候快晴時(8/25)、日中(8〜17 時)の室温、培地温、葉温を比較するとウォーターカーテンを利用することによって、室温は平均1.6 ℃、最大3.1 ℃、培地温は平均1.8 ℃、最大2.6 ℃、葉温は平均2.1 ℃、最大5.1 ℃低下する(図1)。
  2. 8/16〜8/31 の期間における日中(8〜17 時)の平均で室温、培地温、葉温を比較するとウォーターカーテンを利用することによって、室温は平均2.1 ℃、最大4.0 ℃、培地温は平均1.3 ℃、最大2.2 ℃、葉温は平均1.3 ℃、最大2.9 ℃低下する(データ略))
  3. 冷水をカーテン上に散水するとフィルム面の温度は22〜23 ℃に低下する(図2)。
  4. ウォーターカーテンを利用することによって果実収量が増加する(図3)。これは果実重量が大きくなることによる(データ略)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 間口3m×奥行き10m×高さ2.3mの実験用パイプハウスを用いた場合の結果である。
  2. ウォーターカーテンのノズルはイチゴやシュンギクで利用されているものと同じ散水ノズル(矢野散水00726 型、@310 円)を90cm間隔で設置し、8時〜17 時までの間、室温が30℃以上となった場合に、各ノズルあたり3リットル/分程度でかけ流した。利用した地下水の水温は22〜23℃である。ウォーターカーテンは7/15〜9/11 まで稼働させた。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
冷水資源を活用した野菜の高品質栽培技術の確立
予算区分
受託( 高度化事業)
研究期間
2007 年度
研究担当者
岩崎泰永、漆山喜信、松嶋卯月