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トマト半促成作型の循環式固形培地耕における生育初期の窒素施肥量

[要約]

トマト固形培地耕の半促成作型における窒素施肥量は、定植〜第2 果房開花期まで1.8me-N/plant・day、第2〜3 果房開花期まで3.6 me-N/plant・day、第3〜5 果房開花期まで7.1 me-N/plant・day とする。

[キーワード]

トマト、固形培地耕、量的施用法

[担当]

宮城県農業・園芸総合研究所 園芸栽培部

[代表連絡先]

電話022-383-8132

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

トマトの水耕栽培において、作物に必要な量の無機成分を一定期間ごとに与える方法(量的施用法)は肥料の過剰吸収を防ぎ、商品果収量を増加させることが報告されているが、培養液循環式の固形培地耕に適用した知見は少ない。そこで、トマトの固形培地耕において量的施用法を行う場合の生育初期の窒素施肥量について、半促成作型で検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 窒素施肥量を第2 果房開花期まで1.8me-N/plant・day、第2〜3 果房開花期まで3.6me-N/plant・day、第3〜5 果房開花期まで7.1 me-N/plant・day とすると、それより施肥量が多い場合、少ない場合よりも果実収量は高くなる(表1表2)。
  2. 施肥量が多い区ほど施肥直前と施肥直後のEC 値の差が大きいことから養分吸収量が増加したと考えられ、葉柄汁液中の硝酸イオン濃度も増加する(図1図2)。
  3. 施肥量が少ないと窓あき・チャック果の発生が増加する(表2)。
  4. 施肥量が多いと尻ぐされ果が増加する。循環タンク中のEC 値が高く推移し、根への塩類ストレスとして働く(図1表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 培養液は園試処方を用い、8 日ごとに所定量の窒素を含む濃厚原液を循環タンク内へ添加した場合のデータである。
  2. 減少した分の水は、2 日ごとに水道水を補給する。
  3. 実験で供試した施肥量は以下の文献を参考にして決定した。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
宮城型養液栽培を活用した安定生産技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2005〜2007 年度
研究担当者
漆山喜信、岩崎泰永